Q&Aのコーナー第九十三回「未来は予言できるか」
Q.
先行きが見えない世の中で、不安です。筆者さんなりに何か世の先行きの見通しというか予言というか、こうなるといったメッセージ的なものはおありでしょうか?
A.
逆に聞きたいのですが、そういう予言があるとして、それを本気で生かす気があって聞いているのですか? それともただの興味本位・知的好奇心ですか?
後者であるなら、あなたはずいぶん図々しい人間ということです。
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皆さんは、商品を買う時お金を払うと思う。
昔は現金払いだけ考えればよかったが、今ではカードのみならず電子マネーやプリペイドといった「お金そのものをやりとりしない」ことが増え、支払方法は複雑多岐になった。
確かに、カード払いなんかにすればその場ではお金を払っていない。でも、ある期日がくれば間違いなくその額はお客の口座から引き落とされ、問題はなくなる。
つまり、あなたが何か価値あるものを得たい時、ふたつの方法があるわけだ。
①その場で、現金で支払うことによって得る。
②カードでとりあえずその現物を得る。その場でお金は払わないが、あとにはなるが確実に代金支払いの義務は遂行される。
②のケースで口座に十分なお金がないまま放っておくと、引き落とし不成立で督促状が来る。それでも放っておくと、何らかの法的ペナルティが来る。
未来の予言、見通しに関する情報が聞きたい?
では聞くが、それを聞きたがるからにはあなたは礼儀として「その予言が悪いものであった場合、回避のために最大限の努力をする」覚悟はあるのでしょうね? 真剣に受け止める気持ちはあるのですよね?
その気持ちや姿勢こそが、私のメッセージを受け取る時にあなたが支払うべき代金に当たるのですよ。それがないと万引きです。窃盗です。その場で現金払いが望ましいが、カードで後払い(ちゃんといつかは真剣に向き合います、という約束)だけでもいい。
この世界は、お客様が神様になっている。外へ行けば日本はお冷(水)がタダだ。図書館や役所の冷水器でも、タダで飲める。なんかそういう「タダで当たり前」なサービスに慣れすぎて、皆考えが甘くなっている。
私のような者がスピリチュアル情報発信していたら、まぁ質問くらいタダだろうってんで皆なんでも聞いてくる。図々しいので、「この線までなら気軽に聞いていい範囲。ここから先の線は、聞くことにも霊的に責任が生じる範囲だから、自分が守られるためにちゃんと個人的に、セッションとしてお金を払って聞こう」という思考はない。私は別にお金は結構だが、せめて「こんな重いことを聞くからには、姿勢を正して聞こう」くらいは思ってほしい。
まさかとは思うが、将来の予言を聞いておいて「それくらいのことケチるなよ」レベルの情報だと思って聞いてませんよね!
たとえば、あなたが個人的に悩んでいる状況を言ってくれて、こんな状況なんですけどどうしたら? とかこういうことを疑問に思っていて、私としてはこう考えるんですがうまくいきません(あるいは自信がありません)筆者さんならどう考えますか? という質問なら、タダで不特定多数が見聞きするこのような場でも喜んでお答えする。だが、ぶしつけに「死んだらあとどうなりますか」「未来の地球はどうなってますか」「人類は進化して体が無くなったり見た目がかなり変わったりしますか」とか聞いてくる人がいる。心の底から聞きたい魂の問いではなく、99%興味本位のただの好奇心だ。
私はただのしゃべり師ではない。その吐く言葉には様々な見えない力と責任が伴う。(言霊とは違う)だから、仮に私が皆に喜ばれて人気者になりたいと思ったとしても、そのへんのことに忠実になろうと思うと世に出ることはたいへんむつかしい。
●支払い義務を履行する意思のない人の質問に、基本私は答えません! この場合の義務とは謝礼とかではなく、聞くからには冷やかし半分からかい半分とか相手の品定めとかそんな失礼な動機じゃなく、本当に聞いた言葉に向き合うという心構えだ。
なので、仮に私が何か知っていても、こんな誰でも読める媒体で言うと思いますか? 言う人がいれば、よほどのバカかそれか霊的責任を捨ててでもそれでもこの世界での名声や成功のほうを取る、と決めた人くらいである。悪魔メフィストに魂を売って願いを叶えるようなものだ。
ノストラダムスの大予言というのがかつてあった。皆、あれが当たると怖がった。世界の終わりが本当に来るかも? と。
●ある人が、過去に三回も宝くじで一等を取った。
だからといって、また絶対当たると思いますか?
過去三回一等を当てたということと、次もそう遠くないうちに一等があたるはずということとの間に因果関係など何も成立しない、ということは分かりますか?
確かに、また当たる確率はゼロではない。だが、過去に三回当たったという事実が直接、またこの方が一等を当てるということへの確定にはつながらないはずだ。ちゃんとした確率の話で言うと、この方が百歳まで生き毎回宝くじを買い続けたとして、残りの一生当たらない確率のほうがはるかに大きい。運がいい方だとは思うが、また一等を当てるというのは飛躍のしすぎだ。
ノストラダムスの大予言が怖がられるのは、その予言は世界の終わりだけのものではなく、過去に起きた様々な歴史的事件をすでに「言い当てている」とされることから、それを根拠に「だから終末の予言に関しても当たるかも?」という思考になる。
めっちゃ幼稚な思考法!
これと似たような罠に、新興宗教や特定スピリチュアル(あるいは指導者)への妄信というのがある。あるひとつのことで良いことが起きた(心が救われた・病気が治った)ら、そのすべてを信じ受け入れるという現象だ。ある一点でこれが正しいと思えば、大した検証もせずすべて無検閲で受け入れる。気持ちは分かるが、たいへん危険な思考構造である。
案の定、ノストラダムス、当たらなかったでしょ。
●絶対に当たる予言はこの世界に存在しない。
たまに、頭の悪い人が「ほら、これ当たったじゃないか!」と指摘する。
私は「絶対に当たる予言はない」と申し上げたのだ。それは、様々な分岐の中たまたま当たる流れに現実という線路が向かっただけのことで、様々な可能性候補がある中でなったにすぎず、絶対そうなると決まっていてなったわけではないのだ。そこが分かっていないと、「ほら当たった! ならこの方の次の予言も当たるんでないかい?」となってしまう。
ただ、これまでしたような話で終わるとさすがに質問者さんもかわいそうなので、少しはサービスした話もするか。ここで書けることは限られるけど!
私はコロナ禍が始まりかけの頃、「もしこの災厄から人類が何も学ばないなら、その後の世界は大変になる」ということを申し上げた。
人情的には大きな災害は起きてほしくない。病気やケガで人が苦しみ、場合によっては多くの尊い人命が失われる。でも、文句を言ったって自然は起こすものは起こす。ならば、人類の側が頑張るしかない。
災厄というものは、見方を変えれば「次にそういうことが起きた時どうするか」を習得し知恵を高める良い学習機会だとも言える。ならば、この機会をただ対処療法的に右往左往して、みすみす逃す手はないだろう? と問うメッセージをした。
もし、コロナ禍が過ぎて「あ~やっと終わった」で社会が通常運転に戻り、コロナ前と世の中の仕組みが大して変わっていないなら考え物だ、と。
●実際、筆者の危惧したとおりになりかけている。
もちろん、コロナ禍は厳密には終わってはいない。まだ感染者数は発表され続け、飲食店や観光の縛りはゆるんだが、皆マスクは相変わらず着け続けている。
でも、世間を覆う雰囲気は、どちらかというと「もうあまり気にしていない」風だ。そう考えた時、世の中の仕組みの根本的な部分がなにか改正されたかといえば、実に政治家の腹の痛まない、微々たる部分だけ。
これではなぁ、とさすがに筆者でも思う。予言というほどではないが、この先大丈夫かと危惧はする。ただ私は悟り人という人種なので、危惧はするがもっと深い部分では「危惧するしないではなく、起きるのならそのすべてが最善」と思っているのでどうでもいい。
ここでいう最善とは、いいと悪いがある中のいい方、という相対概念中の「最善」ではなく、ただそれひとつしかない、それが起きるしかないということを受け入れ認める意味での「最善」である。
分かりにくいかもしれないが、ゼロの話と同じ。皆さんはゼロを、1や2という実数が存在する前提でのゼロとして考えていると思う。だが、私にとってのゼロは「本当にゼロ」である。実数など存在しない、正味のゼロ。
今私が言ってる意味が分からない人は、悟りに興味を持ってもまったくムダと思われるので、あきらめて他の趣味を探してほしい。
私がサービスで言えることは、いい方か悪い方かと聞かれたら「いい方に向かっているとは決して言えない」状況ではあると述べるにとどめよう。
ただし、諸行無常のこの世界においては、状況は刻一刻と変化する。だからその変化の中で「風向きが良い方に変わる」可能性は十分にある、ということも申し添えておかねばなるまい。
断言的な予言のたぐいが当たりにくい原因は、実にそこにある。だから、悲劇的な予言は当たらなかったじゃんかとノストラダムスを責めるのではなく、むしろ警告してくれたあなたのお蔭で皆意識したから回避できたよ、ありがとうと感謝していいくらいのことだ。
悲惨な予言が外れるのは、よいことだ!
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