自分で決めれへんのかーい!
とある、スピリチュアルな情報を発信をするネットサイトで、高名なスピリチュアルの先生に向けて出された質問に、筆者が絶句するものがふたつあった。
①先生、私は役者(俳優・TVタレント)に向いていると思いますか? 目指そうかどうか迷っていますので、どうか教えてください!
②私の守護霊ってどんな方ですか? 見えるなら(分かるなら)教えてください。
思わず、知らんがな! と言ってしまいそうなこの二つの質問。スピリチュアルというジャンルは確かに多岐にわたり、決してひとくくりにして語れるものではないことは百も承知で言わせていただくと、こんな質問が出ること自体同じスピリチュアル畑の人間として嘆かわしい。
スピリチュアルに興味ある人って、そんなことまで他人に丸投げするの? と一般の方に下に見られても仕方がないほど、自立していない人々である。
●自分の人生の重要事項にからむ決定に関して、他人にゲタを預けるな!
これは①の質問に関してである。
もし私なら、迷うならやめろと言う。あなたが本当にやりたいなら、こんなネット掲示板で聞くまでもなくやっているでしょう。もちろん今の世知辛い世の中では、何にでも悪人というか、実は詐欺なものも何食わぬ顔で選択肢に紛れていたりするので、それをふるいにかける意味で周囲に相談するのはアリだ。
筆者も、聞いたことのない会社があなたの活動をサポートしたい、と言ってきた時に、どちらかというと世間知らずの私は自分で勝手に判断したら危ないと思い、色々と知り合いに相談に乗ってもらった。その結果、その会社はホリエモンが関わって「約束を守らない」と言って激怒された会社で、いくつか「最初の話と違う」と訴えられ訴訟を抱えているところであることが分かり、契約書を書く手前で逃げることができた。そういう相談ならいいが、これは明らかに違う。
この人は、先生が向いてるよ、と言ったら本当にやるのだろうか? やめろと言われれば本当にあきらめきれるのか? その方にとって役者になるというのはその程度の夢なのか?
●あんた、守護霊を信頼してないだろ!
これは②の質問に関してである。筆者なら「守護霊が本人に姿を見せない、正体を明かさないのはそれが最善と考えているから」だと考える。だから、霊が見える人に頼ってまでムリに知ろうとは思わない。そこには、相手への信頼がある。
スピリチュアルの指導者に『私の守護霊ってどんな人でしょう?』と聞くのは、私に言わせれば旦那の浮気調査みたいなものだ。信頼してないからこそ、相手の意志に関係なく調べる。
筆者には、興味本位の動機以外に自分の守護霊を知りたがる真面目かつ切実な動機というものが思いつかない。なんかありますかね? 「ああ、それなら知りたいと思ってもうなずけるわ」っていう程度の高い動機が。
●人間の普通の認識を超えたものに関して、誰も客観的に証明できない世界のことに関して他人に判断を預けるということことほど怖いことはない。先生を信頼していればしているほど、証明なしに信頼だけで受け入れるわけだから。
で、聞かれて語る先生も先生よ。あとあと(霊的にも)どう責任を取るつもりで教えるのだろう? その場で鑑定料が取れたらいいやでやってないか?
私は、長年月の活動の中で節目節目で主張の変化はあるが、最初から変わらず言っていることのひとつに「あなたは宇宙の王」というのがある。
王はちと言葉を大きくしているが、平たくはあなたが主人公であると言いたいのだ。そりゃ、謙虚に他から学ぶべきことは多いが、最終的な決断を下すのはあなた自身である。もちろん、今回挙げた二つの質問も、質問文が短いから分からないだけであくまでも参考意見として聞いていて、先生が言ったからって本当に真面目にそうするつもりではないのかもしれない。それでも私は、この聞き方はやはり危なすぎると感じた。
私たちはこの世界で「商品」や「サービス」といったものを買う時、それが可視化されている。商品を見ることもできるし、人によって見違えることも少ないので世の評判とか実際に売り上げや人気はどうであるか、についてある程度信頼できる。
しかし、あなたの守護霊はこんな人ですよ、というサービスに関して、どこも第三者として精査できない。評価のしようがない。だって普通見えないんだから!
お祓いだとか死んだ人に会わせてあげる(霊媒)とか、そういういったものは完璧な信用商売であり、信用する人以外にまったく通用しない。
もちろん、信頼するなとは言わない。あなたが自分の持ち金を、本望と思うものに使うなら(それで家計を圧迫し家族に迷惑をかけないなら)それはいい。でも、あなたがせっかく人生の主人公なのに、他人に「向いてますかね?」と聞けてしまうのは情けない。
クリント・イーストウッド監督の映画「ヒア・アフター」はなかなかいいよ。
死んだ双子の兄に会いたい一心の弟は、世の中で広告を出すありとあらゆる霊媒師に会いに行くが、どれも詐欺か「本当に霊媒ができているつもりになっている」者ばかりでうんざりしていた。だが、最後マット・デイモン演じる本物の霊能者に出会い、兄の本当の思いを知ることができる。でも最初彼は自分の能力に嫌気がさしていて断るのだ。本物ゆえにこの世ではややこしいことになるのだ。
●だから、本物は本物であることからくる副産物としての重い責任とその軽重をわきまえない一般人とのトラブルを避け、積極的に宣伝してないものだ。
これ、覚えておくといいよ。
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