誤解されてもいい。いや、されたほうがいい

 先日、ある読者が筆者の記事に対して、非常に好意的というか、擁護してくださるようなコメントをくださった。正確な引用はしないが、だいたい次のような意味合いである。



●賢者テラさんの書くメッセージは表面的な言葉とか、ちょっと鋭い感じの書き方とかそういうものに囚われて、イヤとか読まないとかなっちゃうと、すごく勿体ないって思います。良く読めば、汲み取れたら実に素敵な気付きを得られる内容なのに!

 実は、愛なのにね。



 ……まぁ、そのように言っていただけると、当然私もうれしい。

 何にせよ、自分のことを好意的に見てくれ、肩をもっていただけるのはありがたい。そこは素直に感謝しながらも、私の中では真逆のある思いがある。



●無理に理解してもらわなくていい。

 誤解されやすいなら、誤解されたままでいい。

 いや、誤解されたほうがいい。



 ちまたのスピリチュアル指導者は、世界を良くするために「一人でも多くの人に自分の発信が届いて、幸せになりますように」と活動していると思う。

 でも、私にはその「一人でも多くの人に」という願いがない。むしろ、相手が誤解するのなら、そういう「段階」なのだろうから、無理はいけないと考える。

 背伸びしてもろくなことはない。ならば、その人の身の丈に合った理解でいいし、高学年の教科書を無理に読まなくていい。



 たとえば、あなたが今中3で、自分の実力でちょうど入れる以上の、身の丈を越した一流高校にたまたま入学できたとする。試験問題が難しすぎ、開き直ってマークシートの塗りつぶしをどこにするかを鉛筆を転がして決めたのが、たまたま当たって入試を突破した、というようなことで。

 さぁ、入学できたはいいが、その後もその学校に通い続け、授業についていかないといけない。たとえ運で入学できても、ふさわしい実力レベルにあなたがいなければ、やがてその無理は色々な問題を引き起こす。

 結局卒業できなかったり、学校がイヤになって遊びほうけたりするかもしれない。



●一人でも多くの人に、(頑張って)理解してもらいたい!

 筆者は今申し上げたような観点から、それを望まない。

 自然でいい。無理をしない状況で、その人が私のメッセージを必要ない、あるいはキライだと思うなら、そこをおして理解してもらおうとか説得したいとか思わない。



 カレーショップなどで、メニューに「20倍カレー」「超激辛カレー」とかがあったとして、そこにはこんな注意書きがしてあったりする。



●お子様には、提供できません。

●当店の普通の「辛口」を問題なく完食できる方でないと、いきなり上ランクの挑戦はオススメできません。



 誰でも、一人でも多くの人に激辛を食べてもらおう! とは店側は思ってないことが分かる。

 そりゃ、お店としてはどの商品でもお客様がお金を払ってくれるなら、何を注文してもらってもいい。ただ、「相手が快適な時間を過ごせ、喜んでお金を払ってくれるのでないと」という、店側の誠意もあるだろう。

 スピリチュアル界の住人は、スピリチュアルの教えを「万民に効く特効薬」か何かのように勘違いしている。だからこそ、手当たり次第に誰にでも伝えようとする動きになる。

「一人でも多く」という言葉が出てくるのは、その教えがすべての人にとって例外なくプラスになる、という勘違いから来ている。そんなものがない、と言い続けてきたのが、これまでの私の活動の軸のひとつである。



 薬でも、そうでしょ。

 どんなによい薬でも、子どもが服用する場合、大人の適正量の半分でないといけないとか。薬によっては、子どもが飲むのには適さず、かえって毒になるとか。

 無限の個性があり、それぞれの命には無限の「背景」があり、まったく違った青写真(ミッション)がある。

 今はまだ、理解されにくい。多くは「宇宙の絶対真理」なるもの、オールマイティな決定版があると信じ、欲しているから。そしてそれ風なものを提供してくれる者が、人気が出る。

 そんなものはなく、どの教えであろうが「部活動と同じようなもの」と言い切る私は、ある教えを絶対だと信じ、広めようとしている人種からすると苦々しい存在だろうと思う。

 


 無理に広めて、一人でも余計に「混乱させる」ことは逆に望むところではない。だから、サラッとここを読んで素直に「あかん」と思ったあなた、他に行きましょう。

 もうね、私のこの文章が好き! とか、何も苦じゃない! どこが問題なんですかね? 私は楽しいしためになりますー! ってなくらいの人が残ればいい。

 


 誤解していいんだよ。無理に分からなくていいよ、別に嫌っても問題ないよ——

 そのように言うことは、私なりの「愛」でもある。 

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