もし、最高の覚醒者がいるとしたら……
ふと、考えてみた。
もし、この世界に「もっとも本質次元に近い在り方、究極の悟り状態を維持した在り方」というものがあるとしたら、どんな状態だろう?」と。
今から言うことは、残念ながら人間には実行不可能である。
よって、一瞥(覚醒体験)をするとしても、肉体として生きる以上死ぬまで二元性に囚われ続けることになる。それが悔しかったら、以下を実行してみるとよい。
①一言もしゃべらない。(一生)
②何も『動かない』。行動しない。外界に一切の干渉というものをしない。
あなたが「あ」でも「う」でも音声を発したら、少なくとも「あなたという主体がいて、その主体から振動 (音波)が発せられた、すなわち「自分は確実に居る」ということを認めた瞬間である。「私はいない」から一歩遠ざかったのである。
してみると、普通に生きる、日常生活を送るということは「私はないない」からアンドロメダ星雲ほどに遠い在り方であるということ。そんな存在が「私はいない」というお題目の話を聞くなど、究極の『暇つぶし』でしかない。
あなたが視界に映る「他人」に少しでも何か干渉したり働きかけたりしたら——
その瞬間、あなたは否応なしに「相手の紡ぐ二元性のドラマ」を共に作り上げる共同制作者になる。二元性のダンスをペアで踊ることになり、個としての『分離』という側面を強化していく。
●結論:人間として生きていては、真の悟り(
一瞥とは、「こういう世界があるらしい」「どうも、宇宙(存在)というものの究極はこういうものらしい」 という情報を聞きかじったもの。個性の違う「エゴ(自我)」が捉えるそれは断片的で、その断片が人によって違うので、悟り人同士でも微妙に話が食い違ったりする。(もちろん、勘違いも含まれるので注意)
正味のところは、人間ゲームに身をやつしている間は伏せられる。でないと、ゲームの面白味が損なわれてしまうからだ。
一億人に一人くらい、めっちゃ気骨のある人がいて——
「よっしゃ! ①と②やったろやんけ!」
……と、ピクリとも動かない。まったくしゃべらない。本当に、何もしない。をやったら?
残念ですけど、この世界はそれをさせてくれません!
この世界は、個として存在するだけでお金が要ります。
ピクリとも動かないので、(飲み食いしないので)水道ガス電気代はかからないでしょうが、もし家にいたら、住んでいる場所によれば「お家賃」がかかる。
あなたに動く気がなくても、他人があなたに干渉してきます。いよいよとなったら、他人があなたの体に触ってきて、どこかへ連行しようとしてくる。
あなたがせっかく「自分はいない」に近づく意識状態を目指していても、その瞬間に「触れられた感覚」を通して、己のリアルな存在感に引き戻されてしまって、すべて元の木阿弥。
たとえあなたの居る場所が持ち家でも、同じこと。持ち家でも管理維持費や固定資産税がかかってくるので、それを払わねばならない。そこであなたがじっとし続ければ、親や兄弟、身内の干渉は避けられません。絶対止めて来る。
野外で動かないでいても、他人が放っておきません。あなたを心から心配してというより、自分が把握できる範囲で勝手に死なれると寝覚めが悪いので、色々言ってくるはず。
ここまで細かく言う必要もなかったかもしれないが——
●あなたはただ存在するだけで、息をしているだけで二元性のダンスを強制的に踊らされる。回避不可。
人間として生きてるだけで、究極の大元理解からは遠い運命にあるのだ。
●覚者は、一言発するたびに、悟りから遠ざかる。
他人に干渉するたびに、悟りから遠ざかる。
行動を起こすたびに、悟りから遠ざかる。
覚醒の純粋性を保つなら、本当の無為無作を、できる範囲で守るしかない。
(もちろん、覚醒の定義が個で違うので、私の意見に? な人も多いだろう。そういう人は、悟りを広めるのはいいことで、何が悪い? という話にでもなるのだろう)
筆者は、最初から「悟り人をあきらめている」。
一瞥はしたが、その後「結局人間ゲームやめない(正確には、やめられない)のだから、元の鞘に戻ろう」と思った。だから私はフツーに生きている。己の悟りの境地を維持したり深めたり(?)という努力もしない。てか、できない。ムリムリ。
私は、今日も人と語り合う。
言葉を、そしてその言葉に乗っかった気持ちを分かち合う。
その結果、様々な感情を味わう。
それは一瞬にして過行く泡のようなものかもしれない。己は肉体であり、何某という名前のある個人だ、という認識を強めて終わりの一生かもしれない。
でも、それがいいんだ。
さぁ、今日は誰と、どんなドラマを演じるんだろう。
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