トップをねらえ!
本書は所々で『半沢直樹』ネタが多いような気がするが、まぁいいや。
半沢の最大の敵である、香川照之演じる「大和田常務」。彼は一応悪役なので、やることなすこと大概小憎たらしい。しかし、劇中なかなか味なことも言う。
大和田の部下が、半沢のことをこのように言う。
「あいつは、将来頭取(銀行の頂点)になる、などととんでもないことを豪語しているようでして。身の程知らずというか、何と言うか……」
部下としては大和田の機嫌を取るために言った一言であろうが、大和田は露骨に顔をしかめた。
●はぁ? 君、それが何か問題かね?
そりゃ、銀行に入ったからにはねぇ……頭取を目指すのはある意味当然じゃないかね? 一体、それのどこがおかしいのかね?
それとも何ですか、君は頭取を目指さないで銀行員やっているんですか?
(そっちのほうがおかしい、と言わんばかりの表情)
このことに関しては、筆者は大和田常務を支持する。(笑)
このことは、命が永遠とかこの世界が幻想、という程度のメッセージよりもはるかに重要だからだ。超越次元の絵空事よりも、もっと実生活で役に立つ。
いきなりだが、本日の結論メッセージ。
●トップをねらえ!
この世のたいがいの人は、大和田常務の部下のような発想をする。
悪い意味で、「己の立ち位置、身の程をわきまえている」。
もちろんそれは、生まれてから得てきた情報、積んできた人間関係から学んだ他人との距離感、おのずと生まれる自己評価。どの辺で立ち回ったら、他者にも快く思われるか。どの辺の自己評価でいたら、他人に「傲慢」と思われないか?
小賢しくそういうことを計算して、人はほどよい自分を「演じて」社会の中で生きている。
水で薄めずに言葉を遠慮せずに夢を語ったり、自己を肯定できるのは、朝ドラと特撮ヒーロー番組と少年ジャンプの世界だけ。あと、ディズニー映画。
だから、ある意味「常識的な感覚」なのはどちらかというと大和田の部下の方。でも、本当に幸せに生きる道と世の常識は、得てしてズレるものである。
この場合、大和田常務の感覚で生きる方が、筆者としてはオススメである。
この、幻想物理宇宙人生ゲームに分離キャラとしてエントリーしたからにはさ。
取りたいじゃないの、トップを!
トップを取るというのは、何も世界一のお金持ちになるとか、一流のスポーツ選手になるとか売れっ子芸能人になるとか、そういう意味合いでの「トップ」ではない。
要は、世界で唯一よく分かり把握できる「自分」という存在に関して、宇宙の王であるあなたが受け入れられること。好きになれること。納得できること。そんな人生を送れること——
それが「トップを取る」ということ。だって、今言ったことが本当にできれば、幸せになるから。事実上のトップという位置は、あるならあったに越したことはないが、それだけで幸せになどなれない。いや、逆になりにくい。
なってない人は知らないから勝手に羨ましがるのだろうが、一個人には手に余るような冨と権力を維持しながら内面的にも幸せになるのは、ゲームでいうと「ハードモード」に当たり、難易度が高い。それをクリアしてこそ幸せになれるのであり、私の見る所金持ちの多くは 「富にその人物が釣り合っていない」。高難易度に挑んでいる割には実力がないので、金と権力の主人になるどころか逆に振り回され、不幸になっているケースが散見される。
●銀行員になったからには、頭取。
AKBや坂道グループに入ったからには、センター。(おいおい)
この世で生きるからには、一番(自分の基準で構わない)幸せに!
人は結果というものにこだわりすぎる。合理的に考えすぎる。現実的でないからという理由で、どうせ無駄だという発想になる。
そんな現実的でない目標、人に言うのは恥ずかしすぎるし、バカにされる。やっぱり、中間あたりの順位が、現実的に妥当なラインなのではないか? そういう「夢の設定」になってしまう。
夢って、やっぱり「夢」なんであって、現実関係なくていいでしょ? なのに、そういう自由なワールドにもわざわざ「現実的」な要素を持ち込もうとするだけではなく、それがなにか「地に足が着いている」みたいな良い評価になる。
筆者はそのこと自体は問題ないと思うし、堅実に発想し堅実に生きるのもいいと思う。だから今回の私の提案は、幸せになるための必勝法と言うよりは「できればオススメ」程度の軽さで受け取っていただいてかまわない。
マックに行って単品注文したら、「よろしければ、期間限定の~セットはいかがですか?」と勧められるようなものだ。「ああ、それいいね! じゃあそっちください」と答えるもよし。「いらん!欲しかったら、最初から言う」とキッパリ突っぱねてもいいわけだ。
でもよろしかったら、採用してみません?
ただし、この世界があらゆる可能性を追求する「ゲーム」だということは忘れてはならない。
宇宙が回収したい経験はすべてその席の数は決まっていて、どうにもならない。
あなたに非がなくても辛い経験が起こることもあり、あなたが大した努力をしてなくても金持ちに生まれることがあったり、恵まれた家庭環境、人間関係に置かれることもある。
人には、『目指すという以上到達しないと恥ずかしい』という思いの上での頑固さがあるものだ。でもいいじゃん。そこはさ、もっと楽に考えようよ。
目指すこと、その意識の在り方に意味があるのであって、結果はあったに越したことはないが二の次。重要なのは、あなたがどう生きているかだ。
現象的結果よりも、そっちを喜べるようになれば、結果に関係なく幸せになる技術を身に付けることになる。私としては、引き寄せによって願望実現して幸せになるよりも、こっちのほうがオススメである。
大事なことなので、最後にもう一度言う。筆者のオススメな姿勢は——
●トップをねらえ! ただし、言ったからには成功しないと恥ずかしいとか、そういう生真面目な恐れは要らない。
結果取れるとか取れない、はとりえずいい。少しでも心が動くのなら、後先は考えずとりあえず『トップ取るぞ!』って言っちゃえ。
さぁ、大きな声で言ってみて! 気持ちいいから~!
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