何も足さない。何も引かない。

 今回の記事のタイトルは、どこかで聞き覚えのある言葉ではないだろうか。

 そう。お酒のCMからとった。『サントリーウイスキー山崎』という。

 なんか、さっぱりしてて拡張高い言葉ですよね。落ち着いた、心地よい波動で。

 幻想にしては、やるな! って感じで。(笑)



●何も足さない。

 何も引かない。



 これは、人生という名のゲームをより楽しむためにも使える、有効な在り方である。でも、これがなかなかどうして、簡単じゃないのよ。

 これも、いい悪いではなくたまたまこの宇宙次元のゲーム展開がそうであるだけなのだが——



●多くの人が、『足し過ぎ』。

 そんでもって『引き過ぎ』。



 宇宙はただ、あるがままにあり。そこに何の意味もなく、究極には中立。

 でも、ゲームキャラとしての宿命として、人は「自我(エゴ)」を持っているので、どうしてもありのままが見れない。

 その結果、色々余計なものを足して、より複雑に考える。また色々余計に引き過ぎて、より否定的により悲観的に考える。

 これらは、「価値判断」というヤツの仕業である。私たちが生まれてこの方、経験から獲得してしまった認識パターンのことである。

 正しい保証がどこにもない。「それ、そもそも誰が決めたん?」という。でも、面倒くさいのか誰も検証しようとしない。

 だから、世間の人が日常会話をする時、この「価値判断」の話がほとんどである。よくそんなことしゃべってて飽きないよなぁ、疲れないよなぁと私などは感心するほどに。



 例えば、履歴書に貼る『証明写真』を考えてみよう。

 街中や観光地で写したような、数人でピースとかしている全身写真を貼りますか?

「五人の真ん中にいる、赤い服を着てるのがワタシで~す」なんて注釈書き込みますか? 求人応募の履歴書であ、あり得ねぇ~! ですよね。

 写真に写っている全員を見てもらいたいわけではないですよね? 一番大事なのは、あなただ。他の人が写っていたらややこしい。間違い探しじゃないんだから。

 しかも、求人選考の履歴書に使う写真なら、モデルや芸能人志望でもないならまず上半身しか写さなくていいだろう。特に大事なのは、顔(表情)。

 話を元に戻して、証明写真とは何か。「自分をよく見せようとする」ためのものではない。(そう思っている人、まさかいる?)



●ありのままの自分を見てもらうため。

 


 逃げも隠れもせず、飾らず、そのままの自分を評価してもらうため。

 だから背景も足さず。華美な服装も足さず。ただシンプルに、あなたの素顔が映し出される。そのあなたが選考で選ばれるなら、素敵なことである。一見無味乾燥に見えはするが、実はこの証明写真こそが——



●「何も足さない。何も引かない」ことの見本のようなもの。



 筆者が個人セッションなどで相談者の話を聞いたりして思うことだが、皆さんは抱えている問題(そんなものはないのだが)に、ごちゃごちゃ足しすぎ。また、その人なりの物差しで考えた、余計な解釈多すぎ。

 相談に乗る時に、問題の説明が異常に長い人がいる。有り体に問題だけ説明すれば数分で済むものを、その人の解説や分析がいちいち入るので、全部聞いていたら数十分の長編映画になる。もちろん、事細かに聞くほどこちらも判断材料が多くなるというメリットはあるものの、お互いに持ち時間は無尽蔵ではないのだ。

 結局、相手に何をどれだけたくさんしゃべられても、私はその人が提示した集合写真やスナップ写真を、証明写真化してしまう。その作業をしてから、相手に私なりの言葉を伝える。

 その作業が自分でできるなら、皆さんは私の個人セッションなど必要なくなる。

(あ、それでは私儲からない……?)

 まぁ、深刻なモードより私と会うのが楽しいから、ってんで来てくれるのがいいかな。新時代の個人セッションとは、悩み相談ではない。だって、そもそも問題というものが宇宙にはなく、あなたの正体は「神(意識)」なのだから。



 改めて、ありのままを見よう、感じようとすることの難しさと素晴らしさを感じている。

 この世はゲームなので、ほどよい難しさというか、難易度は必要だ。でもできることなら是非、背景が何もなく、被写体がハッキリクッキリ分かりやすい証明写真のように——



●余計な価値判断をできるだけさしはさまず、リラックスしてあるがままの空気、波動に身を委ねてみる。

 すると、あなたの自我と出所の違う所から声が聞こえてくるので、そちらに耳を傾ける。一時が万事、そうするのがよかろう。



 苦しい時には、サントリーウイスキー山崎を思い出そう。

 ウイスキー好きでかつ未成年でない人は、実物を味わいながら。

 あ、私はサントリーの回し者ではありません。(笑)


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