神人合一

 スピリチュアルという分野は幅広く、色々あるものの、それでもスピリチュアルを語る上で欠かせない要素は『チャネリング』であろう。

 Wikipedia には、チャネリングについてこう書かれてある。



●常識的な通信手段では情報をやりとりできないような相手(何か高次の霊的存在・神・死者(霊界人)・宇宙人・未来人など)とコミュニケーションをすることである。



 私が動画配信、あるいは執筆しているメッセージに、対話相手はいない。

「受取先」なる、明確な意思を持った存在はいない。

 筆者が覚醒して間もない頃、賢者テラというペンネームでメッセージを書き始めた頃、こう思ったことがある。

「スピリチュアルな発信者は皆、何らかの高次な存在(ハイアーセルフ、神、高度な精神文明をもつ宇宙人など)から「ありがたく」メッセージをちょうだいしているのに、なんで私には何もいないのだろう?」

 筆者の場合は自分の内側から、ただ湧き起ってくる。それを書き留めるだけ。

 百歩譲って、私にも情報源としての何らかの高次な存在がいるとしよう。でもそいつは名乗らないし、姿を現す気もないようなので、それでいい。面倒くさいから「いない」ってことにしている。

 でも、そういうスタンスで歳月を重ねる中で「ちょっと待て。ちゃんといるぞ、ここに!失礼な」などと怒ってこないので、私はほぼ確信めいた考えをもっている。



●人は神だ。

 神とは、すべてだ。

 だから、チャネリング行為というのは究極的には、自問自答だ。

 高次な対象とかいうやつも、実は自分なのだ。



 この世界で言われる、種々様々な名で呼ばれる高次な存在は実は、チャネリングしているその人自身である。

 本当は自分の内にあることを、映画のように生み出したその幻影を通して、聞いて納得するという一人芝居をしている状態である。

 じゃあ、何でそんな面倒なことをするのか? 一(いち)なる、完全な存在がこの演劇世界に「遊びに」来たからだ。これはもう、趣味の世界である。



 だから、高次の存在にチャネリングできることで満足してちゃいけない。

 それではまだ、半人前だ。なぜか?

 自分の外側に、何か高次な存在がいるという認識レベルにとどまっているからだ。外側には、何もない。あなたしかいない。

 そのあなたですら、人間キャラではなく、神(神意識)。

 だから、確信犯的に趣味で「高次な存在チャネリングゲーム」をやるのはいい。ただ、ちょっとマジ入りすぎて、他者にもそれが真実だというようなことを広めだしたら、リンダ、困っちゃう! になる。

 だから、外に何かの高次な存在がいるとのたまっておられる著名人の方々は、講演でも本でも「私は趣味でこういうのをやっているんだが、物好きな方で受け入れたいという方がいたら、まぁどうぞ」くらい言ったらいい。そう言えてこそ大物である。

 これしなきゃダメよ! この存在を認めて、耳を貸さなきゃダメよ! そう言ってくるようなら、どんなに有名な人でも大したことない。

 ぶっちゃけてしまうと、キリスト教や「奇跡のコース」で言う聖霊(ホーリースピリット)とは、自分である。そのことが分かれば、「聖霊信仰」は卒業である。



『神人合一』という言葉がある。

 この言葉の筆者なりの定義は——



●自分はちっぽけな人間にすぎず、外に偉大な神がいるという認識を超えて、自分自身が神だった、という気付きを取り戻すこと。

 人間としての自分。偉大な創造主、神意識。

 これまでふたつに分離して認識されていたものが、ひとつに統合されること。



 これが、本当の神人合一。どんなにご立派なことを言っていても、まだ外に何か自分よりすごいものがいる、自分より正しいので従わねばならない存在がいるという認識のうちは、まだヒヨコである。

 もちろん、全ては趣味の世界であるので、何でもいいのであるが。

 皆、神との対話だろうがバシャールだろうが守護霊だろうが、好きなものからメッセージを受け取ったらいい。そのワールドをエンジョイしたらいい。

 でも、それをもって「正しいこと、あるいは真実」とし、皆がその基準に従い出すようなことに傾きかけたら、要注意。あくまでも、ゲームをする上でキャラクターをどんな職業(剣士、魔法使い、ヒーラー)にするのか、どんなアイテムを持たせてゲームを楽しむのか(剣、弓、斧、魔法の杖)という好き好きの問題なのだ。



 そのことがわきまえられていてこそ、楽しいこの世ゲームができる。

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