Q&Aのコーナー第四十四回「ダイエットはしていい?」
Q.
筆者さんはダイエットについてどう考えてますか?
ダイエットは大変だけど、痩せたい人はみんな頑張りますよね。でも、楽しくないし、辛いから挫折したり……。
目覚めた人流(?)のダイエットって、どんなものなんでしょう?
辛くない頑張り方とかって、あるのでしょうか?
A.
する必要などありません。
したいかどうかがあるだけです。
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この問題なども、今まで述べてきた内容の応用でいけるのだが。
せっかく質問が具体的なので、扱ってみることにする。
ここまで本書を読み続け、慣れ親しんでくださっている方は分かっているかもしれないが、お付き合いください。
そもそも、ダイエットとは何か、という定義から考えないといけない。
まず考えられるのが、肥満を防ぐために、医学的な見地(体のため)から行うもの。そしてもうひとつ。特に差し迫って必要ではない状態だが、本人が『痩せたい』と思って行うもの。
医学的(健康のための)意味合いだろうが、見た目に痩せたいという動機だろうが——
●恐れが動機となっていないだろうか?
ここが、ポイントである。
あなたは、あなた自身の世界の中心である。宇宙の主人公である。
あなたの中に、宇宙のすべてがある。
本来あなたの外には真理もなく、あなたの外にあなたが従うべき権威もない。
(従いたいかどうか、があるだけ)
そのあなたに、幻想世界の登場人物が、ダイエットをしろと言ってくる。
相手が医者だからとか、どんな科学的データが出ているかは重要ではない。
あなたがそれを受け入れたいか、受け入れたくないかだけ。
医学的には差し迫って必要ないが、女性などが「痩せたい」という場合。
多くの場合は、人目というものが動機の中心になっている。
ダイエットすることによって得られる自分の体型を思うだけでワクワクして、ようしやるぞ! という感じなら、問題ない。でも、ダイエットする人の多くが「周囲が自分をどのように見るのかが気になり、心の中でさげすまれるのを恐れている」から頑張ろうとする。
また「他者との比較」ということも大きな要素だろう。
あの人と比べて、私は……とか、やっぱり周囲の同年代の平均からすると私って太ってるかしら、ならせめて標準体型くらいにはしとかないと……とか。
無人島に、一人で生きていると考えてほしい。
あなたは、背が高いか低いか分かるだろうか。
分からない。そんな概念、比べる対象としての他人がいないと意味をなさない。
頭がいいか悪いか。太っているか、やせているか。
全部、他者との比較、関連でしか生じ得ない。
たったひとりの、あなたという存在だけなら何の意味もない。
つまり、他者との比較によって生まれるランク付けは、幻想である。
この三次元世界で遊ぶ以上、幻想とはいえ比較によって自分を見つめなおす作業は、確かに無視はできない。しかし、だからと言ってそれに振り回され、幸せに生きる権利すら侵害されるのはいかがなものか。
ダイエットをするのかしないのかを決める上で大事なのは、腹をくくることである。やるなら、心からの情熱をもって、徹底的にやり抜く。
やらないと決めたなら、堂々と誇りを持って、罪悪感なしにそれを貫く。
一番苦しいケースは、『中途半端』という魔物である。
多くの人は、こいつの術中に陥って、苦しんでいる。
お話をしていると、こういう方がいる。
「ダイエット、したいんですよね? 痩せたい、と思われているんですね?」
「はい。痩せたほうがいいかなって。でも、やっぱり食事制限とか継続的な運動とかやるの気が進まないし……」
「だったら、ムリしないでこのままでもいいのでは? 私から見て、そんなに問題とも思えないし」
「でも、やっぱりちゃんと痩せたいし——」
「いったい、どっちなんですか!」
現実的な話をすれば、実にシンプルなことのはず。
ダイエットを、するのかしないのか。
するなら、ちゃんとやる。
しないのなら、そのしないことを後悔しないで、堂々とする。
建設的な行動は、そのどちらかしかない。はっきりしている。
しかし。その二者択一の狭間で、なかなか決められずにフラフラする方がいる。
要するに、「成果は得たいわ、でもそれを得るためのリスクはしょいたくないわ」なのだ。例えれると、商品が欲しいけどお金を払いたくない、というのと同じ。
ちょっと、冷たい言い方だが——
●このタイプの方に、つける薬はない。
こういう人にしてあげられることは、ほとんどない。両極端の二者択一でフラフラするのは、その人の意志が弱いからとか、そういうことではない。
●そのグダグダした状態が、実は好きなのだ。
居心地がよいのだ。
私は本書で「人間は自分の利益になること以外はしないものだ」と言ってきた。
つまり、ホンネでは太りたくも痩せたくもないのだ。そこまで突き詰めて考えてないのだ。
受け入れがたいかもしれないが、痩せたいのに痩せられない、という悪循環に陥っている方は「実はそうしたいからしている」。
その状況に居続けることで、あなたは『何らかの利益』を得ているのだ。
その利益とは何か、まで論じたら話が膨大になるので、ここでは割愛する。
変わりたいのに変われない、という人は良く見かける。
それは、ウソ。本当に変わりたいとは思っていない。逆に、心のどこかでは、いざ本当に変わってしまったらどうしよう、的な部分がある。
例えば、口では結婚したい、したいと言いながら「結婚生活の大変さ・今までのように遊べない状況・人から聞いた結婚にまつわる苦労話」などが心の中に巣くっていて、どこかでその人の意識にブレーキをかけていたりする。
だから結婚したい、というのは口だけで、実はどこかでまだ覚悟ができていなくて「まだ来ないで」なんてシグナルを発しているので、その通りの現実になる。
なのに本人は、実に自然に「結婚したいけどなかなかできないのよ」などと、いけしゃあしゃあと言う。
人間、本当に変わりたいと思ったら、変わる。
そうなるのに必要な、本人を動かす膨大なエネルギーの生産をしてまで変わりたくはない、というホンネがあれば、本人が本当にせっぱ詰る経験をするまでは、変われない。
ホント、本気で変わりたいと思ったら、誰が妨害してきても、やり遂げられる。
逆に、動機が他者からの強制や、比較から来る焦りからだったりなど、自分の外に動機がある場合は、ちょっと問題が起こるだけで、ちょっと水を差されたくらいでも簡単にポシャる。
昆虫、例えば蝶の一生を思い浮かべてほしい。
幼虫は、その時点でいくら成虫に今なりたい! と思ってもなれない。
時間しか、それはどうしようもない。ジタバタするだけ、ムダである。
幼虫は幼虫である期間、幼虫としてできることをするしかない。その範囲で、気分よく幼虫としての幸せを味わうしかない。
でも、強制イベントが起こる。幼虫でいつづけることが許されなくなる状況が、いやでもやってくる。
つまり、サナギになる時期だ。体が大幅に変化し、それに必要なエネルギーも半端ではない。サナギになると、幼虫でいた頃とは世界観も勝手も変わり、幼虫時代が思い出せなくなるほどである。
そして、また強制イベントとしてサナギの殻を破って、成虫となる日がやってくる。羽を広げて空を飛ぶ、というまったく新しい世界が、そこに開ける。
その時には、蝶は自分が葉っぱや土の上を這っていた時代が、もう遠い昔の別世界のことのように思えるだろう。
変わりたいけど変われない。ダイエットしたいけど、失敗を繰り返す。
こういう人に共通しているのは、魂としては「幼虫」なのである。
もちろん、すべての魂は完全である。この三次元ゲームでの画面表示上のことだけだが。その時期に背伸びして、変にジタバタしても仕方がない。
本人だけでなく周りも、この人物の為を思って色々アドバイスしたり叱咤激励しても仕方のない時期である。だが遅かれ早かれ、幼虫が強制イベントでサナギに変わるように、変化の時が来る。
もちろん、神意識としての人間には、いつでも意思の力を発動することで事態を変えることもできる。(絶対の成功はないが、可能性はある)
でも、自らの自由意思を発動することで変われないタイプの人は、ここまで述べてきた「強制イベント」に懸けるしかない。それなら、焦らず日々を全うし待っていれば、向こうから来る。
どっちゃでもよい。あなたが何かを成し遂げる時、あるいは何かの学びを得る時。
それが意思の力によってだろうが強制イベントによってだろうが、宇宙から見れば価値は同じ。どちらが趣味ですか、というほどの違いしかない。
この記事を読みながら「はいはい、どうせ私はまだ幼虫ですよ!」とすねる人もあるかもしれない。しかし、すねても一文の得にもならない。
子どもが、自分はなぜ今大人じゃないのかと怒るだろうか?
大人ではないことで自己嫌悪に陥り、心を病むだろうか?
子どもが、自分が今子どもであることを自然に受け入れ、楽しく暮らしているように、あなたも自分の魂の旅における今の到達点を、受け入れてほしい。
そして、自分が今そこにいることこそが完全なのだ、と思ってほしい。
考えようによっては、気が楽になる。
今、どうあがいても幼虫の段階だと気付いたら、ジタバタしてもしょうがないから、気が楽になる好きなことでも楽しみながら、いつか来る『時』(強制イベント)を待つ、というくらいの呑気さがあってもいい。
まさに、『果報は寝て待て』である。
話がかなり大きくなってしまったので、ここらでまとめてみよう。
私がいつも言っているように、無理をしていいことは何もない。
要は、ダイエットをただ「したいか、したくないか」。
しなければならない、などということはない。宇宙で一番大事なのは、あなたの気持ちである。あなたが王である。
ダイエットしなければ、あなたという存在が脅かされるという幻想に従うか、従わないか。
従わない、という選択を心からできるなら、それに越したことはない。しかし、どうしてもしないことに対する恐れが抜けないなら、仕方がない。
自分は、そういう魂の旅の段階なのだ、と受け入れるしかない。自分が今、幼虫の時代であることを素直に認める。そして、恐れに囚われている自分を認め、受け入れ、何も悪くないと知る。
それこそが、今の自分にとっての「完全」である、と知る。
幼虫なんだから。しゃーない。だから、そういう意味で、恐れからダイエットすることすらOKと見てよい。
要は、なんでもありなのだ。ただ、善悪や良し悪しに関係なく、自分の選んだことを肯定してやる。いじめない。
三次元ゲーム的なルールでの理想は、喜びだけを理由にダイエットすることである。しかし、どうしても他者の視点という幻想に打ち勝てないなら。自分の体を必死で管理しないと、健康が脅かされるという幻想に抵抗できないなら、やってよい。
ただし、そこでどんな成り行きになろうが、どんな結果になろうが、それで自分を裁かないように!
幼虫には幼虫にふさわしい生き方があり。成虫には成虫の世界があり、そこに優劣はない。
小学生は小学校の教科書を学ぶことが身の丈に合っており、大学の教科書は難しすぎる。だからといって、程度が低いなぁと小学生をバカにする大学生はいない。
そう考えれば誰でも分かるのに、なぜか私たちはこの応用がきかない。
精神世界の旅が進んだ者が、俗にどっぷりで生きている人間を見て程度が低いなぁ、なんて思うのは、まさに大人が子どものままごとを見てバカにして見下すのと同じことである。
まぁ、ダイエットなんかしないで楽に生きろ、ってこと。
食べたい時に食べ、好きなようにしなさい、ってこと。
ただ、自分の取った行動の責任だけは取って、後悔しないという前提で。
ただ、特殊な人たちもいる。
例えば、筆者の奥さん。
私は、スーパーで見切れ品を買ったり、わざわざ安いものを買ったりはしない。そんなことしなくても大丈夫、という意識のところに富は来るから。
いちいちケチることは、自分はそうしないといけないくらい貧しいのだ、というシグナルを宇宙に送っていることになる。だから、かつて私は自分の価値観で、奥さんにそう説教した。
でも、奥さんは改まらない。そういう中で、ひとつ気付いたことがある。
●どうも、お買い得商品を見つけて買うことが、大好きなようだ。
私は、そこに気付いた。
私が安物を選ぶ時、お金がないからという否定的な発想になっている。だから、他者も同じだと錯覚した。
しかし、奥さんは逆に、安い掘り出し物を見つけることが心からの喜びだったのだ。要するに、趣味の領域なのだ。
私は、考えを改めて奥さんのお買い得商品探しを、今日に至るまで認めている。
大好きなのだから、趣味なのだから放ってある。
だから、それに似たスタンスでダイエットができるなら、素晴らしい。
得られる成果を思い描くだけで笑顔になり、ファイトが湧いてくるダイエットなら、これ以上のものはない。
恐れに勝てそうなら、してもしなくても好きなようにしてほしい。
勝てないなら、心は不自由になるが義務感でやってもいい。
最後に、ちょっと強烈なことを言って、終わろう。
例えば、医学的に人間はビタミン何とかを一日にこれだけ取るのがよい、とかビタミンCは体内で生成できないから、意識してこれくらい取らないといけない、とか言われる。
●それさえも、思い込みによる創造である。
そう決めるので、そういう現実が起こっている。
つまり、宇宙の真理としてそんなものが最初から決まっているのではない、ということ。意識の持ち方次第で、そんなもの関係ない世界が開ける。
ただし、簡単ではないですよ! 今まで人類の意識にしみついてきた歴史あるものを、甘く見てはいけない。ホンネの部分での疑いや恐れが取れないなら、表面的に宣言したり思ったりしても、ダメ。
だから、魂的に突き抜けたら、一切の恐れがなくなる。そんな人には、ダイエットなどという言葉は意味がない。
医学的・科学的常識すらもあるレベルまでは思い込みである。ただ、長らくこの三次元ゲームで皆さんご存知の物理ルールが信じられてきたので、なかなか突き抜けるのは大変かもしれません。
イエス・キリストはそこが突き抜けていたので、死人をよみがえらせ目の見えない人を見えるようにたり、その他色々な奇跡を行ったとされている。
常識がこうではないか、こんなこと起こり得ない、という恐れがあったらできないことである。
筆者はどうかというと、体(健康)についても食べ物についても、いちいち栄養や病気を考えたり心配したりしない。だから、ダイエットとかいう発想すら湧かない。
魂の好きにすることがベストだと分かっているので、それが最善の結果を生まないはずがない。そのような信頼が宇宙に対してあるので、私は人生でただしたいようにするだけである。
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