イヤなものはイヤ、好きなものは好き

 今回のメッセージは『のぼうの城』という、野村萬斎さん主演の映画が題材。

 もし未視聴の方がいらっしゃいましたら、この記事を読む前に鑑賞をお勧めする。もちろん、映画を見てない方にも読めばわかる程度には内容に触れますので、ネタバレしてもよい方は読み進めてください。



 この映画は、私が訴えていることを、うまくエンターテイメントにしていた。

 普通、500の軍勢で天下の秀吉軍に楯突こうなど、考えられない。

 例え、ホンネで楯突きたくても、できないのである。


 

●そんなことをして、勝てるわけがない。


 

 そういう、ワクワクしない(ショボい)思考に囚われることが、ほとんどだからだ。現実、というものを揺るぎいない王様として崇めたてまつり、宇宙の王である自分を、無理矢理それに従わせようとする。

 残念ながらこの世界では、そちらの生き方のほうが常識的と言われ、地に足がついていると評価される。

 私は思う。もし私が半年前、当時の自分の社会的位置、収入、そして実力……そういうものをベースに、自分の将来を考えていたら? と。きっと、この先自分に起こることをかなり狭めて考えたろうと思う。



●こんなことは、まず起こらない。

 あんな夢のような展開にには、なりっこない。

 きっと、こういう毎日がこの先も、判で押したように続いていくだけ。



 しかし。私は、現実にひれ伏さなかった。

 そうしていれば、怖い思いもすることなく、素晴らしい展開もないのと引き換えに、目先の安定を手に入れていただろうが。しかし。それでは、人生が面白くなかったのである。全然、ワクワクしないのだ。

 だから、現実を気にする心よりも、本当の気持ちが何を叫んでいるのかに従う志向性のほうが強くなった。お金にならないのは重々承知の上で、ブログにかなりの時間と情熱を割き、書き続けた。



 この映画の主人公・のぼうが秀吉の軍に降伏するのを、なぜ断ったのか。

 それは、ハッキリ——



●イヤだから。



 イヤなものは、イヤだから。

 普通だったら、聞いてあきれる論理だ。

 実際、佐藤浩市演ずる家臣も、のぼうにこう悪態をついている。



『イヤだからって……お前は子どもか!?』



 私はこれ、最高の褒め言葉だと思うのだが。

 本当の気持ちに従うこと。好きなものは好き。したいことはしたい。イヤなものは、イヤ。まさに、幼子の心とはこのようなもの。

 しかし、大人になるにつれ、この幼子の心を失ってしまう。

 で、どうなってしまうか。



●イヤなものをイヤと言えない。(他人との兼ね合い、利害関係から)

●好きなものを好きと言えない。(他人との兼ね合い、利害関係、恥ずかしさから)

●したいことができない。 (常識的未来予測。「どうせ無理」「したって無駄」 )



 この世界で大人になるということは、ろくなことでないことが分かる。

 では、ろくでもなくないようにするには?

 大人になることが素敵なことであるために、何をすればいい?

 子どものまま、大人になること。

 もっと言えば、人間の本質を変えないまま、保持し続けること。 



 イヤなものをイヤと言い切り、500対秀吉軍という現実をものともしなかったのぼう。その対照的な存在として、敵将の石田三成が登場する。

 三成も、ある意味のぼうに近い心をもっていた。

 というのも、彼もまた世間の常識、当たり前にうんざりしていた。

 天下の大軍をちらつかせれば、どの大名も犬のように尻尾を振って降参してくる。

 皆さんも、ゲームの中でもしほぼ無敵になれるような武器なりアイテムを得てしまったら、どうですか? 嬉しかったり、それが爽快なのは少しの間。でもやがて、つまらなくなる。

 だから三成も、本当は魂が満足していなかった。幸せではなかった。大軍で責めて、相手が戦わずに降伏してくると聞いた時、がっかりしたのである。



『武士とは、皆その程度の存在だったか!?』



 そんな強者の立場でムシのいい話だとは思うが、三成はそう考えた。

 ひとりくらいこちらをものともせず、楯突いてくる気骨のある人間がいてもいいのではないか? と。

 だからこの場合、イヤなものをイヤと押し通せる稀代の武将・のぼうと、権力や武力にへいこらする人間ばかりではないと信じたい三成とが、互いを引き寄せ合ったと考えたら、面白い。

 そこで、のぼうに心酔した三成が、のちに関ヶ原で自分がその立場に立ったとも想像できる。もっとも、彼は結果論として家康に敗れてしまうが。



 スピリチュアルなど、ほとんどないような四百年昔の日本にあって——

 現実のそろばんをはじかず、自分の素直な気持ちに従うすべを知っていた人物がいたとは、驚きだ。

 それが、庶民など貧しくともしがらみの少ない人間だったら分かる。でもなんと城主という、もっとも現実的・人間関係的力学に縛られることを免れえない人物が、その心を持てた。

 この映画を見た人は、力づけられるはずである。

 それは、映画を見ることで、あるメッセージを受け取ることができるからである。



●魂の願うとおりにすれば、うまくいく。恐れずとも、心の願いに正直に立ち上がりさえすれば、現実はあとからついてくる。



 何かの決断をするのに現実がそれほど重要なんだったら、世の中はなんて面白くない世界だろう。

 大軍が勝つのは、当たり前。小軍が負けるのは、当たり前。

 地位の高い、裕福な階層にチャンスが多く、行動の選択の範囲が広いのは当たり前。身分の低い、貧困階級には這い上がるチャンスもなく、人生の選択の範囲が狭いのは当たり前。

 奇跡は、逆転劇は映画やお話の中でだけ——。つまらん!

 今のようになる前の筆者は有名になる保証もないし、お金にもならないからブログなんか一生懸命書くのやめて、お金になる仕事をまずしよう、とは最終的に考えなかった。

 

 

●それでも、書きたくなったのだ。

 今、書きたかったのだ。

 恐れや心配を忘れるほどに。



 魔女の宅急便、という宮崎駿のアニメ映画の中での話だが——

 主人公のキキちゃんは、何か魔法の呪文を唱えて空を飛ぶのではなく、「血で飛ぶ」のだという。

 そう。喜びに生きることは、本来の神意識人間の生きる道。

 好きなものは好き、で生きることもまた、しかり。

 だから、筆者をして常識的に無謀な挑戦をさせたのは、『血』だろう。

 血がそうなっているので、いくらごまかしてもダメ。

 一時は自分をごまかせても、必ず血が顔を出してくる時が来る。

 自分の魂の底が揺さぶられて、表に出ざるを得ない状況にいつか遭遇する。

 キキちゃんの場合は、ボーイフレンドのトンボくんの命が危なくなった時、嫉妬の感情など通り越して、ただ相手を 「助けたい」というホンネに正直になった時ー

 

 

●飛べ。(……で本当にデッキブラシでの飛行を実現)



 皆さんも、同じ。

 人である以上、「血」が流れている。

 血の中に込められている内容は、ひとりひとり違う。

 一(いち)でしかないワンネスが、あえて喜びのために個別性を体験しようとしているのだ。

 今、自分がスランプだ、という人もいることだろう。

 自分のしたいことが、分からない人。

 ぼんやりとは分かるが、なかなか行動に移せない人。

 移せても、それが報われない人。

 しかしそれらすべて、一時のことでしかない。

 あなたには、この世界を楽しみ尽くすことのできる「血」が流れている。

 ゲームには障害や敵がつきもので、それがあなたの人生ゲームを少々ややこしくすることはある。でも、難易度の高すぎるゲームは受けない。

 土台クリア無理、なんてゲームは楽しめない。ゲームとして成立しない。その辺がほどよいさじ加減のゲームこそ、面白いのである。

 その点、この三次元ゲームは、実によくできている。難しくても、クリアする道があるからトライのしがいがあるのである。

 何よりあなたには、初期設定においてすでに「血」が込められている。それが本気(マジ)モードで発動する時、これに勝てるものはない。

 なぜなら、宇宙の創造者であり、王であるあなたの血が絶対王命を宣布するのであるから。



 現実を直視する、と言えば聞こえはいい。

 しかし、計算機をはじく、ということは実は「恐れ」があるから。

 間違いのないようにしたい。損をしたくない。それは恐れの裏返し。

 石橋を叩いて渡る。それも恐れ。

(そういうのが好きだから! というなら、別にいい)

 では、恐れの反対は何か。

 喜びであり、ワクワク感である。

 笑いながら、人を殴ることってできますか?

 喜びながら、相手にひどい言葉を言い続けることができますか?

 ちぐはぐすぎますよね。

 喜びと恐怖は、どちらかしか同時に存在できない。

 ならば、喜びとワクワクから決断する所、恐怖の入り込める余地はない。

 そして、その高い波動には、宇宙からの応援がある。だから、物事がうまくいったり、ピンチが切り抜けられたりするのである。計算して物事がうまくいくより、もっと感動的である。



【本日のまとめ】


①現実ベースで物事を決断するのは、面白くない。ショボい。

②計算して物事を動かすより、喜びやホンネに従って動くほうが、かえってうまくいく。なぜなら、そのほうが「宇宙が応援する」からである。

③あなたには、ワンネス(神意識)譲りの『血』が流れている。

④ゲームでも映画でも、ピンチの場面というのはあるだろう。今苦しい人は、そういうタイミングに過ぎない。

⑤最後には「血」が勝つ、というシナリオになっていることを信頼しよう。

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