Q&Aのコーナー第十八回「邪魔な思考はどうすれば消えますか?」

 Q. 

 

 いつもためになる内容を、ありがとうございます。

 ここで言われていることを腑に落としたいし、どうにかして悟りを得たいのですが、しかし古い思考がゾンビみたいにワラワラと群がり腑に落とすのを邪魔するのです。この邪魔なゾンビを撃退するコツなどあれば是非御教示下さい。  



 A.何で撃退する必要があるのですか?



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 確かに、今までのスピリチュアルな教えによって強く植えつけられてきたある内容のせいで、四苦八苦されている方も多いでしょう。その内容とは——



●思考はジャマだ、ということ。



 特に、世間一般から植え付けられた社会的常識に基づく思考。

 そして、過去の経験から「自分ってこの程度、価値のない存在だ」などの刷り込みがなされていたりする。

 思考、というもののカッコつけない、ありのままの働きを言えば……



●蓄積された過去のデータから演算して、自分が一番傷付かず、なおかつ得をする方法を割り出すのが、思考である。



 思考なんて、この程度のことしかしない。

 考える世界の範囲(視野)が狭いうえに、自分のことしか考えない。

 まるで江戸時代の悪徳役人。要するに『小悪党』みたいなもの。

 だから、最近のスピリチュアルでよく言われるのは、思考など捨てなさい、ということである。私も、基本そのことに関して否定はしない。

 でも、それも状況によりけりだと思う。

 この質問者のように、古い思考がワラワラと襲ってくる状況がある時。

 先ほどの「思考はよくない。思考は邪魔者」というデータが頭にあるので、一生懸命にゾンビ思考を撃退しようとするわけだ。

 でも、そんなことすればするほど、目的達成からは遠のく結果になるのだ。

 ちょっと、常識とは違う真理をひとつ。



●戦い、撃破することで相手に勝てる、というのは大間違いである。

 戦って敵と見える者を負かし続ければ続けるほど、相手はより強大になる。



 ……だから仮面ライダーは終わらんのだ。(笑)

 じゃあ、本当にゾンビ思考をなんとかしたいなら、すべきことはひとつ。



●放っておく。放置プレイ。

 ゾンビがワラワラ来るままに、ゆるしておく。

 無抵抗。

 ゾンビ(思考)を適当に遊ばせておく。

 


 これを、いつまでも続けてください。

 コツは、ムキにならないこと。

 要するに、思考はダメだ、という価値判断がいけないのだ。

 この世界は、何事も二元性・陰陽のバランスである。

 片方を良くないものとして排除するのは、そのバランスを欠く行為である。

 つまり、逆説的だが、思考を捨てるために思考を完全に受け入れ、ひとつになる必要がある。そうすることで、思考はもうあなたに悪さをしない。だって、完全に味方になるから。

 あなたが思考を味方につけていない状態、すなわち嫌っている状態で思考を排除しようとすれば、相手も当然余計ムキになって自分の力をアピールしてくる。

 まるで、仮面ライダーが怪人を倒せば倒すほど、余計打倒ライダーと世界征服に燃えるショッカーのようなものだ。

 


 あのキャプテン翼が言ったように、私たちもこう言おう。

(彼の場合は「ボール」だが)



●思考はともだち 怖くないよ!



 もし、思考とおともだちになれず、怖がったり邪魔者扱いしていると、いつまでもあなたに悪さをしてくる思考は排除しても排除してもその脇から増殖し続け、ついには呑み込まれてしまうだろう。



『思考をなくそうと努力するのではない。

 思考をなくそうとする努力を手放し、無抵抗になる。

 何もしないこと』 



 悟りとは、手放すこと。一切何もしないことが鍵だ、とよく言われる。

 その応用だ、と思っていただければいい。

 質問者におすすめするのは、まず「思考は悟りの敵だ」という刷り込みを捨てること。ゾンビ、と例えていることからも、悪いものと思っていることが分かる。

 もしもあなたが思考を敵視するのをやめたら、坂道グループのメンバーくらいにまで格上げされるのでは?

 イメージできますか?

 乃木坂とか欅坂の可愛いどころが、ワラワラとあなたに群がってくるんですよ!?

(女性ならジャニーズタレントあたりで代用してください)

 興奮して、喜ばずにいられますか?

 不思議なことに、「思考カモン!」くらいにこちらが腹をくくれば、向こうの方からサァッと引いていきます。

 批判者も、いじめもそうですが、こちらが反応したり、対抗したりするから向こうは面白いのです。やりがいが出てきて、余計相手にしてこようと思うのです。

 でも、こちらが全然 「カエルのツラに小便」 状態で、ゼンゼンこたえていないし、反応もしてこない、という状態が続けば、向こうも馬鹿らしくなって、面白くなくてやがてやめます。

 思考と戦えば、向こうは余計面白がってホレホレ! と突きつけてくる。

 思考と戦わず、頭をよぎるに任せていれば、思考もやがておとなしくなる。

 そういうことです。



 もちろん、悟ったら思考がなくなるか、と言えばそんなことはありません。

 ただ、振り回されにくくはなります。

 自分のハートの部分に、一切の意思決定の主権を置くことができるためです。

 国会が何かを決定する時に、どこぞの町内会の反対など気にしなくてもよいのと同じ。悟った状態は、思考の邪魔など歯牙にもかけません。



 では、今日のまとめに入りましょう。



 ①思考を、ゾンビ呼ばわりして敵視しない。むしろ、歓迎する。

 ②思考がどんどん浮かぶままに、無抵抗に放っておく。

 ③フォーカスしないで、テレビに文字のテロップが流れるみたいに、心の中で受け流す。

 ④無抵抗を続けていると、やがて喧騒が止む時を迎える。

 ⑤その時初めて、あなたにとって思考は脅威ではなくなる。

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