Q&Aのコーナー第九回「夢ってコントロールできるんですか?」

Q.


 この世界は夢みたいなものなんですよね。で、そこで見る眠ってるときの夢。これもプレイヤー意識が意図したものを見ているのですか?

 たまに自分でみたい夢を見てるという人や、夢見てる途中で夢だと気づく人がいるそうですが・・・。



A.夢も現実もさほど変わりません。が、夢のほうがリアルです!

  あと、夢をコントロールしようとか、愚の骨頂です。

  夢で夢と気付けるのがカッコいいとか思ってるんですかね? まるで幼児です。



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 夢というものに関して。

 それはもう古今東西科学者や心理学者、様々な宗教やスピリチュアルの分野でも色々と言われてきました。

 今日は、それらをいったん全部手放してください。



 これまで口をすっぱくして言ってきたことは、この世界が二元性の世界だということです。陰陽、という二極を含まないものはない。

 だから、寝て睡眠を取るという行為も、またしかり。

 私たちが起きて活動する時間(陽)があれば——

 体を休めて脳による思考に休息を与える時間(陰)がある。

 だからまぁ、睡眠というものがあるのはそういうわけです。

 そういうゲームのルールにしたのですね。すべてはバランスです。



 もちろん、睡眠中は顕在意識が休んでいます。

 ということは、何が活発になるでしょう?

 今まで、頭脳の現実的思考に主役を取られて表に出ていなかった、深層心理の出番です。ヘンな例えですが、『裏番』みたいなものです。

 ある学園に番長がいる。表向きは彼が仕切っているように見えるが、実は彼の背後で糸を引いているさらに大物が存在する時。それを『裏番』と言います。



 つまり、一見人生の主役に見える 顕在意識 (私たちの表向きの思考)は、影武者に過ぎないのです。本当の大ボスは、潜在意識(深層心理)なのです。

 なぜ潜在意識のほうが重要なのか、と言いますと、そこには『ホンネ』が存在するからです。

 つまり、夢とは、社会意識やメンツや様々な縛りの中で演技しているあなたは消えて、そういういやらしいものの縛りを完全に解かれた、自由な意識が見せてくれる世界。はっきり申し上げて、それは……



●あなたが生きている「現実」よりも、真実のあなたに近い。



 と言えます。なぜなら、思考の入り込む余地がないからです。

 だから、夢はおおまかに二つのタイプに分けられます。

 まず、脈絡のない支離滅裂なタイプ。これは、論理的思考の縛りから自由なので、こんな夢を見るのはある意味仕方ありません。

 起承転結とか、最初がこうだから次の展開はこう、とかこの登場人物がここで出てきたらおかしい、とか。そんなもんは、自由な潜在意識からしたら「くそ食らえ!」なのです。

 そして、一定の筋の通ったストーリーがあるタイプ。

 それは、顕在意識としてのあなたへの、大事なメッセージである可能性が大です。

 もしかしたら、あなたの過去生のストーリーかもしれません。(あるいは未来生?)ともかく、今のあなたに何かを教えようとしているのです。

 例え嫌な夢であっても、あなたにマイナスの意図をもってやってくるものはありません。例えば、厳しい忠告であっても、それが実際あなたにとって有益な指摘であれば、価値がありますよね。

 間違っても、悪魔(悪霊)が働いた、悪さしたとかありません。

 仮に、そう思える現象を経験するなら、それはあなたがそういうものの存在を心に受け入れている(植えつけられている)からだというだけで、すべてあなたの創造によって生じているだけです。



 古い映画ですが『インセプション』という映画を是非ご覧ください。

 レオナルド・ディカプリオと渡辺謙の出ている、SF映画です。

 あれは、この幻想の三次元世界を、ある面非常にうまく言い当てている。

 相手の夢の中にもぐりこんで、意識を操作しようとたくらむ話なんですが、その意識操作(何かを無理矢理思い込ませること)を、インセプションと言います。

 夢の世界にもぐっても、そこは現実とほとんど変わらないリアルさ。

 ということは。ズラして考えると——



●この現実も、私たちの正体である超意識側から見たリアルな「夢」である。



  ……ということが言えます。

 さらに、この映画の中では、夢の中でさらにまた夢を見る、ということが可能になっています。劇中ではこれを「さらに深い階層の夢の中に入っていく」と表現していました。

 夢の中の夢のでさらに夢を見て……とどんどんやっていくと、どうなるでしょうか? イメージとしては、子どもが遊んでいて、森の中の奥深くへ入っていくようなものです。



 どんどん、深層意識に近づいていくと、どうなると思います?

 むちゃくちゃヘビーな世界になっていきます。

 上の階層ほど、現実に近く、滞在しやすい。

 なぜなら、まだ知識や脳内データの縛りが多いから。

 下の階層は、ホンネむき出し。あまり深く分け入りすぎると、現実の「他者の眼を気にして演じている自分」に戻るのがちょっとたいへんになります。

 だから、日頃穏やかで、優しい人でも、ホンネの世界でそうでないこともあるので、夢の中はエライことになっている場合があります。



 説明は、この辺にして。

 質問者に対する答えとして整うように、まとめてみましょう。



●この世界は夢みたいなものですよね。で、そこで見る眠ってるときの夢。これもプレイヤー意識が意図したものを見ているのですか?



 プレイヤーの「顕在意識」は、ほぼ意図していない。

 意図できる人が仮にいても、少数だろう。そして、どんな時にも同じようにはできないだろう。

 一言申し上げておく。傘でやる皿回しみたいな芸と同じで、皆が皆できるわけではない。ってか、できなくていいし。

 夢を操ろう!なんて意識レベルの人がいたら、この本読まなくていいですよ。

 ちょっと、いらっしゃるところを間違えております。別を当たってください。

 皿回しなんて、染之助・染太郎師匠に任せておけばよい。

(※染太郎師匠はお亡くなりでしたね……)

 つまり、あなたの顕在意識は夢にほぼ干渉できないが、あなたの潜在意識が見せている、という点に置いて「意図している」ということはできるかもしれない。

 ということで、ご理解いただけるだろうか。



 たまに自分でみたい夢を見てるという人や、夢見てる途中で夢だと気づく人がいるそうですが——

 そんな人、ほっときなさい。うらやましい、とも思わなくてよろしい。

 顕在意識の好きにさせたら、三次元ゲームがすすまなくなりますよ!

 思考や常識に惑わされない潜在意識のお陰で、有形無形のメッセージを受け取り、それによって現実での行動がうまく導かれる場合があるのだ。

 夢を好き勝手する、と言う試みは、海で羅針盤を無くすようなものである。

 好き勝手するなら、どうぞ現実のほうでやってくださいまし。



 夢だ、と途中で気付く人もいる。

 まったく、うらやましがらなくてよろしい。

 自慢にもならない。

 ゲームだって、のめりこめるから面白いんでしょ?

 我に返ったら、しらける。

 夢だと気付いて、楽しい?

 手厳しいことを言うようだが、夢を自由に操りたいとか、夢の中で夢だという自覚をも持てることが何かカッコイイことかのように勘違いしている人は低次元である、とだけ申し上げておく。

 気付けても、それは夢の中のコントロールできないキャラが「これ夢だよね」と思考したのを夢で見たにすぎず、実際そのあとあなたは夢を支配できているわけではない。それすらも、「夢と気付いた夢」という決まったシナリオを見せられているだけなのだ。



 この現実で、我々はひとつの脅威にさらされている。

 それはまさに、『インセプション』である。

 私たちは、この世界から、社会から様々ないらないものを植えつけられているのだ。いわゆる常識というものや、あなたはダメで無力なんだよ、というメッセージである。

 あなたは、ちっぽけな人間である。

 外の現実いかんで、生き死にや幸不幸が簡単に左右される。



「あなたは、死すべき存在。

 あなたは、罪深い存在。

 この世界の集団の中では、頭が悪い方。

 ほとんど、世の役に立っていない、生かされているのが申し訳ない存在」



 ……例をあげればキリがないが、まぁ色んな「植え付け」が世間によってなされる。悲しいことに、この「植え付け」を、親兄弟や学校の先生、会社の上司、友人がやることがある。

 でも、皆さん。

 この、あなたの三次元世界でのゲームを楽しくないものにしようとたくらむ、この「インセプション」を認めてはなりません。

 共に、立ち上がりましょう。

 私は、神にも等しい価値をもつ、永遠の存在。

 私は、私の喜びを生きる。幸せを生きる。

 そうする権利がある。いや、権利どころかこれは「義務」だ。

 


 だから、夢は大事にしてほしい。

 日頃は押さえつけているあなたのホンネを映し出してくれる、大切なツールである。夢が夢として働くことを尊重して、決して好き勝手にしようなんて思わないで。むしろ、感謝して。

 今日も、夢見てください。



  賢者テラ 



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※実は、夢についてのさらに踏み込んだ記事があるのですが、それはこの記事よりもずいぶん後に書かれたものとなり、いきなりこの段階で読むよりも「そこまでの筆者のメッセージの積み重ね」を聞いた土台の上で読む方がよいと筆者は考えます。そのため、あえてここで記事をまとめるようなことはせず、将来もう一度この話題についての記事を挙げようと思います。

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