あなたがいなければ……

『神との対話』という本がある。スピリチュアルに関心のある方なら、一度は聞いたことがあるだろうし、それ読んだことある! という人もいるだろう。

 その本の中で、神様が著者であるニール・ドナルド・ウォルシュ氏にクイズを出す場面がある。



【問題】


 誰もいない森の中で、木が倒れた。

 さて。木が倒れた音はするだろうか?



 読者の皆さん。知っている人は別として、これを初めて聞く方はちょっと真面目に考えていただきたい。普通の発想で行くと——

 森が無人だろうが、ドシーンと倒れた音はやっぱりするだろ……

 だから答えは、『音はする!』

 実際、ニール氏も神様にそう答えた。さて、正解は?



●ブーッ、残念!!



 正解は、『音はしない』でしたぁ!

 えっ、納得がいかない? なるほど。

 では神との対話の、神様の言葉をかりて理由を説明しよう。



 音というものは、正体は『波動』であり『振動』である。

 私たちが普段、耳に聞こえる音として認識できているのは——

 耳、という波動や振動を感じて音に変換して聞ける『レシーバー』(受信機)を人間が持っているから。

 ゆえに、せっかく音の出るような条件があっても、それを音としてつかまえられるレシーバーをもった人間が誰もいないので、人間以外のものにとっては音と捉えられず、波動も振動も「ただそれだけのもの」として存在するしかない。

 音にはならない、ということだ。

 まとめると、音なんてのは音を出す方と受け取る能力のある方の両方がそろって、初めて音として認識されるのである。



 さて、ここからが過激である。

 認識する側とされる側がいなければ、何も存在できない。

 では、あなたがこの世界に存在しなかったら、他のものは存在できるだろうか?

 えっと、常識的に考えまして。自分が死んでも、この世界は存在して、変わりなく地球の社会は、日常生活は回っていると思うでしょ?

 ブーッ



●あなたがいなければ、宇宙は存在しない。

 世界を認識できるあなたがいなければ、先ほどの「音がしない理由」と同じ理屈で、あなたの周りの世界は消滅する。

 あなたが夜、星空を見上げて「あ、オリオン座だ!」とか言う。

 そのオリオン座はずっと気の遠くなるような昔から存在していて、ずっと輝いてきて、今たまたまあなたが見上げた、と思うでしょ?

 ブーッ

 実は、あなたが見上げて認識しようとしたから、オリオン座がその時できたのだ。



 ……………………。



 (-_\)(/_-)三( ゚Д゚)



 ( ̄□ ̄;)



 ……大丈夫ですか?ついてこれますか?

 しんどい? では、ちょっと休憩しましょう。



 じゃあ、再開。(えっ、もう?)

 あなたの近所にローソンとかファミマあるかな? コンビニね。

 あなたは今、そこにいないし、目にも見えてない。

 見えてないけど、外に出て街角のあそこにいけばローソンはある、と思う?

 思う……よね、ふつう。

 ブーッ



 存在しない。

 最寄の駅だろうが東京タワーだろうがディズニーランドだろうが——

 両親の実家だろうが彼氏・彼女の家だろうが勤務先のビルだろうが——

 あなたが今「認識していない」ものは存在していない。



 あなたが寝ている時。

 あなたの肉体はふとんに寝ていて、隣では家族が寝ている。

 そう思うよね?

 ブーッ

 言葉で言うのは限界があるが、もうそれはグニャグニャで、超ファジーな状態。

 混沌とした状態。

 あなたの目覚めと共に、すべてがハイ!元通り。


 ( ̄Д ̄;;



 ここでひとつ、結論めいたことを言おう。



●あなたは、宇宙の中心であり、創造主である。

 


 何億年も前にビッグバンが起こって、時が流れて……

 鎌倉幕府とかローマ帝国とかあって……

 豊臣秀吉とかいて……

 んで現代に、ちっぽけな私が宇宙の片隅に存在している。

 そう思うでしょ?



 いいえ。あなたが、過去にさかのぼり全部創造した。

 この宇宙を創ったのは、あなただ。

 あなたが、この宇宙を開いたのだ。

 つまり——

 人間一人ひとり、自分の宇宙を開いている。

 60億人いれば、60億通りの宇宙が存在する、ってこと。

 それがある共通項で重なり合っているので、他人がいるように見える。

 ひとつの宇宙、ひとつの地球に人間がひしめき合っているというのは、錯覚。

 実は、あなたが見ているもの何もかも、あなたが作り上げている。

(しかし、作ったからといってコントロールできるかどうかというのは別問題)

 


 昔、『8時ダヨ!全員集合』というドリフターズのコント番組があった。

 志村けんの後ろに、恐ろしい怪物が忍び寄る。

 観客席で見ている人たちが、「志村、後ろ後ろ!」と叫んで教えようとする。

 で、志村が後ろを振り向くと、怪物はうまく隠れてしまう。

「何だ。何もいないじゃないか——」

 志村が前を向くと、また怪物が出てくる。この繰り返しで笑いを誘う。



 それと同じことが、あなたにも起こっている。

 あなたが今見ていない後ろは、存在していない!(キャー)

 で、あなたが後ろを振り向いた瞬間、あなたは「後ろの風景はこうであるはずだ」というデータに基づいて、無意識のうちに全てを構築してしまう。素粒子を恐ろしいスピードで組み替えて。

 常に、これをやっている。

 あなたが移動したら、見慣れた風景が見えてくる。

 それも全部、あなたが0.00何秒の世界で記憶の通りに作り上げている。

(もちろん、ここでいう「あなた」は、自覚できる部分のあなたではない)



 だから、あなたが死ねば、あなたの宇宙は消滅する。

 死んだ後の親や子どもの心配とか、死後の世の中がどうなるかとか——

 後継者問題とか、墓がどうとか——

 心配ご無用。

 だって、あなたが死ねばあなたが開いていた宇宙は消えるのだから。

 楽しけりゃ、別ですよ。死後のための備えあれこれ。

 でも、やっとかなきゃいけない、と思ってしんどい思いをするくらいなら、やめたほうがいいですね。どうか、やってて楽しい、ワクワクすることだけを生きているうちにやってください。 

 


 ああ、今日の話はヘビーでしたね!

 私は、これを納得せよとは言わない。

 皆、自分のハートに従って、受け入れられるものを自分の意思で信じればよい。

 でも、最後に一言だけ、言わせてほしい。



 あなたは、ひとつの宇宙を持っている。

 だから、あなたの存在がどれだけ大きいことか!

 だって、宇宙のキングなのですよ?

 なのに、自分が脇役だなんて思わないで。

 輝いてほしい。



 あなたがいなければ、あなたの宇宙は存在し得ないのだから——。

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