謙虚と傲慢

 私のペンネーム(芸名?)は『賢者テラ』である。

 人によっては、思うことだろう。

「自分のこと賢者、って! どんだけ傲慢なヤツ?」

 まぁ、仕方がない。それが、世間一般における普通の感覚である。



 日本人は特にそうなのだが、謙虚とか控え目とか「へりくだり」とかが大好きだ。

 もちろん、礼儀としてある程度必要なものではある。でも、どうだろう。冷静に見て、日本人のそれは行きすぎ、ではないだろうか?

 私の感覚としては、それって謙虚を通り越して自己卑下じゃないの? って思うレベルの「謙虚」が、この世間には多すぎるように思うのだ。



 これには、宗教の功罪が影響している。

 キリスト教などでは特に顕著なのだが、罪人(つみびと)という考え方がある。

 人間という存在は、罪深い存在なのだというのが、一般的なキリスト教の主張である。創世記にあるアダムとエバの失楽園が発端となり、人は罪を犯さざるを得ない存在になってしまったのだ、という。

 キリスト教の讃美歌の中にもある。



 ♪塵にも等しき我をも愛し~

 ♪価値なき我らをも、主は十字架にて……



 イエス・キリストの前で「自分がいかに罪深く、くだらないか」ということを実感することで、「ああ、こんな卑しい私のために、神の御子が十字架で犠牲になってくださったのだ!」というその落差があればあるほど、感動を生むのである。

 宗教がやたら「人間の価値を低める」ルーツは、そこにある。

 もう、DNAにしみついているくらいの勢いだ。



 でも。

 新時代において、そういった過去の価値観は合わなくなってきている。

 人が罪人だとか、人間はくだらないとか。個人レベルでは、私なんて生きていてもしょうがない、とかどうせ頭悪いし、取り柄もないし……とか。

 そういう考え方は、誰も幸せにしないことが明らかになってきた。自分が罪人だと自覚することでは、何の解決にもならない。

 


●心のイメージや意識状態が現実化する(こともある)。



 スピリチュアルや自己啓発に取り組んでいる人なら、常識レベルの話である。

 心の中で、

 


「私はダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだ

 私はバカ私はバカ私はバカ私はバカ私はバカ私はバカ

 私は塵あくたに等しい汚れた罪人私は塵あくたに等しい汚れた罪人

 私は塵あくたに等しい汚れた罪人私は塵あくたに等しい汚れた罪人」



 そんなこと、常時心の中で意識してごらんなさいな。

 そりゃあ、(悪い意味で)願いがかなっちゃいます、って。

 あなたがそんなこと宣言するから、宇宙も従順に受け入れて……

 


「はいっ、ご主人様のおっしゃるとおり! あなたはダメでバカでつまらない罪人で~す!」



 …ってな感じで、あなたのホンネを実現してくれかねない。


 

 真実はどうか。

 あなたは、最高。

 あなたは、素敵。

 あなたは、かけがえのない存在。

 ええい、もっと言っちゃえ!

 あなたは、神に等しい。それが、事実。



 だから、もう自虐的に自分をいじめるのはやめにしよう。

 本当のあなたの価値を、取り戻そう。

 勇気をもって、ここに宣言しよう。

『わたし最高! わたし万歳!』

 それを受けて、宇宙は応答する。

「はいっ、ご主人様のおっしゃるとおり! あなたは宇宙で一番最高に素敵な、神に等しき存在で~す!」



 話をぐぐっと、元に戻そう。

 私が、自分のことを「賢者」などと呼ぶのは、傲慢からではない。

 実際、そうなのだ。私はキリストであり、神だ。あなたも、そうだ。

 私は、すべてでもあるのだ。

 それが、私が「悟り体験」から得た実感である。

 


 さて、『傲慢』という言葉の定義は何か。

「思い上がって、横柄なこと」

 言い換えれば、本当の自分よりも過大評価する、ということだろう。

 自分の本来の価値を見誤ることだ、とも言える。

 ならば、本当は素晴らしい自分なのに、過去からしみついてきた価値観に踊らされて、自分は価値なき存在だとかダメだとか愚かだとか言うのは——



 ●これこそ、逆に「傲慢」なのではないだろうか。

 


 逆に、本当の意味での謙虚とは——

 自分の本来の価値をわきまえている、ということに他ならない。

 だとすれば、おお、私は「謙虚」ではないか!


 (^▽^;)


 だから、自分のことを「賢者」と言うくらいでちょうどいいのだ。

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