第十話 Awakening(目覚め)
暗く、深い、だが、そこには何も無く、
ただ、“無“のみがあるだけ。
凍えるような寒さも無く焼け付くような暑さも無い。
ただ、何も無い。
……いや、だんだん寒くなってきた
これは……失血性ショック?
そうか、俺は……
ただのヒトに過ぎない、か
声が聞こえた
懐かしい声
過去の記憶が蘇る
親父、活動家だったらしい、フレンズの人権を認める運動の代表者だった。
今は、反対勢力に暗殺された。
母さん、いつも俺を慰めてくれた人。
今は、行方不明。
HAT隊長、何も無い俺を拾ってくれた人。
今頃、船に乗って逃げているだろう。
良かった。
メガネ、初めて出来た本心を打ち明けられる親友。
セルリアンの研究ばっかしてたが、良い奴だ。
コヨーテ、相棒……いや、俺が初めて惚れた奴…気持ちを伝える前に……セルリアンに
そうだ、死ぬ前にアイツの声が……
「コン…」
コヨーテ!!お前か!?
「コン、ここだよ」
コヨーテ!本当にお前なのか!?
コンは無の暗い空間で手を伸ばす
コヨーテ!!!
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手を伸ばすとそこはヘリの墜落現場だった。
コンの回りにはサンドスターがキラキラ輝いている。
ヘリの残骸もサンドスターになっていた。
コンはコヨーテのナイフを握っていることに気付く。
「助けてくれたのか…」
ナイフは一瞬キラッと輝いた。
コンはナイフに微笑むとナイフをしまって立ち上がる。
そして腰のベルトにくっついていたサンドスター測定器を取り出し自分に向けて測定する。
「高濃度のサンドスター汚染だ、このままここに留まるのは得策じゃないな、ひとまず基地に戻るか」
コンは徒歩で基地に戻る。
基地の門をくぐると戦慄した。
「酷い有様だな…」
建物の一部は半壊し、軽装甲車やトラックが爆撃の爆風により、吹っ飛ばされて転がっていた。
彼方此方で煙が上がっていた。
コンは比較的損傷の少ない居住棟へ入り、自分の部屋に戻る。
部屋の中も酷い有様だった。
壁の一部が崩れ外が見えていた。
「助けは来るのだろうか…」
コンはそう呟き部屋の片付けを始める
~数時間後~
「ふぅ…こんなもんか」
コンはある程度の片付けを済ませるとベッドに腰を下ろす。
すると無線機が通信を傍受する。
「ザッパークセントラルザッ陥落!ザーーーた…ちに…パーザッから撤ザザッせよ!ザーーー」
コンは胸騒ぎし、パーク内のカメラにアクセスしてパークセントラルの様子を見た。
「…嘘だ…」
そこは、地獄だった。
響く銃声、流れる血、取り込まれるフレンズ
コンはその場に立ち尽くした。
しばらくするとカメラは静かになる。
そしてコンは決意する
親友、戦友、フレンズ、沢山の物をセルリアン、奴は奪って行った
コンは立ち上がり洗面所の鏡の前に立つ。
俺は、これからセルリアンを一匹残らず駆除する
コンは自身のブーニーハットについているワッペンを掴む
これは誰の命令でもない、散っていった彼等の為に、俺は
ワッペンを思いっきり引っ張り千切る
セルリアンハンターズ隊長は立った今、帽子を被ったただの狩人となった。
そこに小さなセルリアンが現れる
コンはナイフを投げつけ壁にセルリアンを突き刺す。
「今、丁度会いたかったぜ、セルリアン…」
コンはもう1本のナイフでセルリアンの石をナイフで何度も、何度も、突き刺す。
「死ね」
そう言い最後にナイフを力一杯振り下ろすとセルリアンは砕け散る。
するとコンに凄まじい頭痛が、
「ぐっ…ぁあ」
頭を抱えよろけ、洗面台にぶつかる。
鏡を再び見ると、そこには
感情が全く無い目をしてる
彼が立っていた
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Due to heavy sand star pollution, all troops withdraw from this island.
over-
(サンドスター汚染が激しい為この島から全部隊が撤退する、以上)
What about the missing Captain Kon and Researcher Megane?
(行方不明のコン隊長とメガネ研究員は?)
It's too late, even alive, sandstar contaminated, with the risk of ceruleanization
(もう手遅れだ、生きていてもサンドスター汚染されて、セルリアン化のリスクが伴う)
Roger cheap Take off the helicopter
(了解、チーフヘリを出します)
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けものフレンズWorst case scenario 帽子の男 @BIIGBOUSHI
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