第九話 Disaster of the Japari Park (ジャパリパークの異変)
20XX 某月 某日 01:26
キョウシュウ地方 火山活動観測所
2人の男がモニター越しに火山の火口の様子を眺めている。
「…噴火の予兆を確認、揺れてますね…」
「まあ、噴火のエネルギー量はいつも通りだ、問題ないだろう」
机の上に置いてあるコーヒーの水面が揺れ始め、次第に揺れは大きくなる。
「なんかいつもより揺れません?」
「…噴火エネルギー量が徐々に上昇してる、まあ、まだ報告する数値じゃ無いが…」
するとエネルギー量をしめすメーターが急に警告、から危険へと切り替わり、危険から緊急事態へ切り替わる、それと同時に部屋の明かりが赤くなり、回転灯が回り出す。
ピーピーピーピーピー
「まずい!エネルギー量がとんでもない事になってる!」
「急いで通達を!」
「センター!センター!こちらキョウシュウ地方観測所!直ちに火山周辺の職員や来園者を避難させよ!繰り返す…」
次の瞬間一段と揺れが強くなり外が一瞬キラッ!と光ったかと思うと凄まじい爆発音と衝撃波が島全体を覆う。
「これは…」
観測所の男が外に出ると外は雪が降ってるかのごとくキラキラとサンドスターが降り注いでいた。
「これはまるで火山灰だ…」
「綺麗だ…」
「いや、こうしてる場合じゃない!すぐに避難指示を、それと防塵マスクを付けろ」
「了解」
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同時刻 パークセントラル 中央管理局
プルルルルル…プルルルルル…
「急げ!何をしてる!早く来園者を避難させろ!」
プルルルル…ピリリリリ…ポロロロロロ
「今、全ラッキービーストを避難誘導に…」
「…セルリアンが各地で発生…!」
ピリリリリ…ポロロロロロ…
「早く船の手配を…」
「はい!こちら中央管理局…」
プルルルルル…ピリリリリ…
「空港はどうなってる?…」
「空気中のサンドスター濃度が依然上昇中!」
ピリリリリ…ポロロロロロ…
「緊急事態だ!早く!」
「驚異レベル3以上のセルリアンを多数確認!」
ポロロロロロ…ポロロロロロ…
「パークレンジャーを全員避難指示に回せ!」
プルルルルル…ピリリリリ
「ダメです!キョウシュウ地方へレンジャー達がたどり着けません!」
ピリリリリ…ポロロロロロ…プルルルルル…
「一体どうすれば…」
すると1本の通信がメインモニターに映し出される。
「船をキョウシュウの沖合に、急いでくれ」
「救助と避難は我々、ハンターズが一部請け負う」
中央管理局のスタッフがモニターに向かって言う。
「ま、まて!君達の仕事は!」
「フレンズや一部のスタッフをセルリアンと戦えるようにした、避難誘導も一部任せろ!中央管理局の貴方達は船を早く!」
と、その時、二本目の通信が入る。
「我々、海上自衛隊が手配する」
「…自衛隊…空母でお願いしますよ」
「任された、既にキョウシュウ地方の沿岸に停泊している」
「仕事が早いこと…それじゃあ中央管理局の皆さん、救助と避難は任せろ!通信終了!」
プツン
「…よし、キョウショウ地方は彼等に任せよう」
「我々はその他の地方の避難誘導を!!」
「やるぞぉぉ!!」
ウオオオオオオ!
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同時刻 キョウシュウ地方 ゴコク海峡
数機のハンターズのヘリがキョウシュウ地方に向かって飛んでゆく。
そのヘリの一つにコン達の隊がいた。
「これより、救助、掃討作戦を実行する、見かけたセルリアンは全て駆除、民間人は出来るだけ輸送ヘリに乗せて沖合の空母へ、なあに、訓練通りすれば問題ない、いいな?」
「オーダー了解です!」
「了解した」
「解りました」
コンのヘリは遊園地でヒグマとリカオンとキンシコウを降ろし、コンはロッジへ向かった
ヘリを降りるとそこはまるで地獄だった。
「何なんだ…このセルリアンの量は…」
コンはナイフで的確にセルリアンの石を砕きながらロッジへ入ると既にスタッフがメインホールに客を全て案内していた。
「大丈夫ですか?怪我人は?」
「今の所居ません…早く!お客様を!」
「今輸送機が来る、それまで待機してくれ
絶対にドアを開けるなよ!」
「は、はい!」
コンは再び外に出てセルリアンを倒し続けた
15分後位だろうか、輸送ヘリが着陸した。
「コン隊長!」
「急げ、早く乗せろ!ヘリの羽音で集まってきたぞ!」
周りを見るとワラワラと雑魚セルリアンが集まってきた。
「全員、構えろ!射撃を許可する!」
『了解!』
コンが指示をすると一斉に隊員が銃を構え発砲した。
パッカーン!パッカーン!パッカーン!パッカーン!パッカーン!
「よし!皆さん!直ちにヘリに乗り込んで下さい!今すぐに!!」
「焦らないで!席は充分にあります!」
全員を整列させて、ヘリに乗らせた。
「よし、ヘリを出せ!」
「コン隊長!報告です!後二時間後に米軍が火山付近のセルリアンを爆撃するそうです」
「なっ…」
「以上です!隊長、ご武運を!」
輸送機は飛び立っていった。
「くそっ…仕方ない図書館へ向かうか…」
コンはヘリに乗り込んで図書館へ飛び立った
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図書館には学生のグループがいた。
どうやら修学旅行中でナイトサファリに参加していたところ運悪く巻きこまれたようだ。
「この人数だった俺のヘリで行けるな…よし!全員乗ってくれ!」
女生徒は泣きながらヘリに乗っていた。
しかし次の瞬間、カンッ!とヘリの装甲が貫かれた。
「まずい!変異型!」
コンはとっさの判断でコヨーテのナイフを抜きセルリアンの飛ばしてきた針を弾きたがそれがマズかった。
二本目の針がナイフを持つ腕に刺さり、ナイフを落としてしまったのだ。
「っあ!」
ナイフは図書館の広場に落ちた。
「あ、あ、あ、あの大丈夫ですか?」
「…問題ない…まずは君達を船に届ける…」
コンはそう言い高度を上げて空母へ向かった
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35分後 空母
「これで全員か?」
コンが空母にいる来園者を見渡す
「はい!米軍の爆撃はもうじきです!」
「…最後の見回りに行く」
「なっ…爆撃があるんですよ?死にますよ!」
「おい、
「…?」
「悪いが行かせて貰う」
コンはそう言うとヘリのエンジンを始動させ飛び立った。
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35分後 ジャパリ図書館
コンは暗がりの中ナイフを探していた。
すると無線機から通信が入る。
「米軍機が火山に接近中、島内全ての来園者、及びフレンズの避難を確認したので予定より早く爆撃を開始する」
「…畜生」
するとライトを向けた先にキラリと何かが輝いた。
「まさか!」
コンは駆け寄り光った物を手に取った、それはまさしくコヨーテのサバイバルナイフだった。
そして、火山に米軍機が近づいてくる。
「…ここまでか…」
コンはヘリの後部座席に腰掛け米軍機を眺めた、しかし突如米軍機はセルリアンに変わったのだ。
「っな!?」
コンはスティンガーミサイルを構え発射する
見事に命中するがセルリアンは大量の爆弾の様な物を落としていった。
「完全にセルリアン化してなかったのか!って事はあれはただの爆弾!…くそっ!ここまで破片が来る前に!」
コンは急いでヘリのエンジンを起動して上昇させるが凄まじい衝撃波と共に爆発が発生し
コンのヘリに向かって破片が飛んでくる。
「もう遅かったか!」
その破片は運悪くヘリの羽に当たりヘリはバランスを崩して落下していく。
ヒュュュュュュ
ヘリは落ち続けるがコンの回りは時間の流れが遅くなる。
そんな中、彼は心の中で呟く。
彼自身の葛藤や愚かさに反省する。
(コヨーテ俺は自分の命すら守れなかった…お前が守ってくれたこの命だ…全く愚かな死に方だよ…)
そんな時だった、彼の脳内に女の声が
(君はすぐに諦めてしまう、そこをどうにかしなきゃね)
(お、お前は…!)
(…生きて、コン、お願い、私の分まで…)
(すまないが無理そうだ…見ろ、地面まで残り3メートルだこのスピードなら人の形で残るかどうかすらも危うい…)
コンは絶望しながら迫る地面を見ながら言う。
(コン…信じて…私は君のことをいつも見てるよ…)
(…信じる…か…)
次の瞬間時間のスピードは戻りヘリは地面と衝突する。
バァァァァァン!
キィィィィィン
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