続・脱衣卓球
11-6、11-8と、俺は2ゲームを制した。
タキエルも流石に、ブラから脱ぐことはなくホットパンツから脱いだ。ホットパンツを脱いだ時に、下がショーツになったのになにも思わないわけではなかったけど、それでも卓球台の下だからあまり見えない。
頑張ればそう気にならなかった。
問題はこれから。タキエルが上を脱ぐか下を脱ぐか……。
「タキエル。今、泣いて許しを請うなら、今日のところは勘弁してやっても良いんだぞ?」
「ふっ。ここまでは作戦の内ですよ、マスターさん。本当はブラを見せただけで全裸にひん剥いてやれる予定だったんですが、ここまで私を追い詰めたご褒美です」
解りやすい程の強がり。顔を真っ赤にして、少し泣きそうに目を潤ませているタキエルはブラジャーを外した。
ぷるんと、下着に支えられなくとも上を向いている形の良い白いおっぱいが、解禁された。
……タキエルの強がりは、しかし、的を外してはいなかった。
サーブの度に、生のお乳が揺れるのだ。それに遭わせるように、俺の心も揺れる。
なんとか返すことも出来る。しかし、問題は動揺だけでなく生のお乳を拝んだことによって、俺の男の武器が臨戦態勢に入ってしまっていることも深刻だった。
今までに無いほどに戦闘を主張する俺のソイツは、今にもパンツからはみ出してしまいそうだった。
とても動きにくい。
だが、もしここで俺が負けてしまえばタキエルに見られてしまうのだ。臨戦態勢のアソコを。
そんな恥辱が許されてたまるものか。
ここには、確かに負けられない戦いがあった。
俺の集中力を奪うおっぱい。臨戦態勢の股間。絶対に負けられないというプレッシャー。
その全ての要素が俺の敵となる。
2-11 タキエルに、とうとうワンゲームを奪われてしまった。
◇
「あ、あれれ? マスターさんは、私の裸を見て興奮しちゃったんですかぁ?」
ズボンを脱いだ時、思いっきしテントを張っていた俺のパンツ一丁の姿を見て、顔を真っ赤にしながらもニヤニヤと笑っているタキエル。
屈辱だ……。恥ずかしさのあまり、股間をつい隠してしまう。
「ふふん。マスターさん。私が勝った暁には、マスターさんのソレ、いじめてあげますよ」
燃えそうなほどに顔を紅くしているタキエルの、冗談交じりの提案が、しかし魅力的に感じてしまう。
俺は苦しかった。
もう楽にしてくれと、心の声が叫んでいる。
負ければ楽になれる……。
負ければ……そんな悪魔の誘惑に拐かされそうになる俺は思い直す――タキエルは、ハーフエンジェルだけど残りの半分は悪魔だ。
これは悪魔のささやき。
もし負ければ俺は一時の快楽のために、一生をタキエルに負けた男として生きなければならなくなる。
ソレは男の本能として、どうしても許せないことだった。
俺は性欲のエネルギーを、全て勝利への渇望へと流し込んだ。今は、タキエルに勝利する。
快楽は――その後で、一人ででも慰めれば良い。
少なくとも今までの人生ずっとそうしてきたんだ。
俺は、これまでの生き方を信じる。
「サッ!!」
ネチネチと、スマッシュをするタキエルのピンポンをカットして攻めていく。
半裸のタキエルをなるべく辱めるような軌道で、タキエルが勝負を思わず投げたしたくなるような的確な速度の玉を返し、打ち続ける。
俺の卓球は、ずっと友だちがいない鬱憤を晴らすための遊びでしかなかった。
そして今、性欲を晴らせない鬱憤をタキエルにぶつけるように陰湿な卓球をしている。
後で一人でするための準備として、余裕があればすかさずスクリーンショットをする。
9-8、9-9、9-10、10-10――マッチポイント。
しかし、タキエルは折れなかった。胸が揺れ、スクショに収められ、時にあられもない姿で転けても、俺と同じ内心を持っているのか否か、折れず、一進一退の攻防が繰り広げられる。
17-15
「俺の勝ちだ」
◇
タキエルは、負けるや否やショーツをすぐにおろした。
突然ぷりんとおしりを出されたことに驚いたが、とりあえずスクショだけはしといた。そして、タキエルはそのまま壁の方に手を突いて、こちらにおしりを突き出してくる。
「完敗です。マスターさんが勝ったので、マスターさんが私をいじめてください」
……タキエルが勝った暁には俺のそれがいじめられる――ならばまた逆に俺が勝てばタキエルのそこをいじめてもいい――そう言うことか。
この脱衣卓球の間に、俺もタキエルも、気分は盛り上がり、そういう感じのムードになっていた。
しかし、俺は迷う。
ここで、流れに身を任せてそのまま肉体関係だけを持って良いのか?
ここでエッチをしてしまったら、今後俺はタキエルとゲームとかをして遊ぶ時にどんな顔をして遊べば良いのだろうか。
俺は童貞だ。
童貞故に、セックスがどういうものなのかも解らないし、した後にどのように自分や相手が感じているのかも想像が付かない。
やってみなければ解らない。
しかし、取り返しが付かなくなるのは嫌だ。
でも、やっぱり脱童貞は全童貞の夢でもある。少なくとも俺は今、したい。
「な、なぁタキエル……。俺と、恋人同士になってくれないか?」
「どうしてですか?」
「……今、俺はタキエルと心置きなくエッチがしたいからだ」
あまりにも正直すぎる言葉。下半身に血液が行き過ぎて、頭に血が回っていないのかもしれない。
しかし……
「良いですよ。恋人に、なりましょう」
「なんでだ?」
「そんなの、私もマスターさんと心置きなくエッチがしたいからですよ」
恥ずかしいこと言わせないでくださいよ。そう言いながら、タキエルも俺も完全にそういうテンションだった。
そのまま俺はタキエルとめちゃくちゃセ○クs…ビリリリリリリリッ
《『深海の闇雲』から迷宮戦争が仕掛けられました。迷宮主は直ちに応答してください》
……ほら、こんなもん!
かくして俺の脱童貞はしばらくお預けとなった。
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