第26話 首
倒れたリーダーはあおむけでヤリを離そうとしない。
俺はリーダーの右手を攻撃し始めた。
テニスのバックハンドように物干しざおを左から叩きこんだ。
頭部への攻撃をフェイントにしてリーダーの右足も破壊した。
ようやくリーダーが右手のヤリを離した。
もうリーダーの四肢はグニャっとして防御できない。
リーダーがもしポケットにナイフを隠していても使えないだろう。
そしてこの世界で大怪我をするということは死と同じだ。
リーダーも同じことを考えたらしく口を開いた。
「よしお、お前の勝ちだ。とどめを頼む。」
なんだリーダーとどめってなんだよ足グニャグニャで立つことも無理なことは分かっているがもう負けを認めるのかよそれで良いのかモヒカンリーダー俺がここで去ればモヒカンメンバーが助けに来て命だけは助かるんじゃねえのかよリーダー、手足グニャグニャだからその後のことは難しいけどモヒカン族なら助け合いの精神で何とかなるはずだろリーダーとしてのけじめか決闘の戦士としてのけじめかメンバーの追跡をあきらめさせる方法かコレはリーダーが勝てなかったんだからあのスーツァーを追跡しても難しいよな的な。
「よしお、首の方が簡単だぞ。とどめは。」
リーダはゾンビ化していないから、とどめは心臓でも良いはずだ。
しかし、もしリーダーが遊水池に来る前にゾンビに噛まれていたら。
いや、わざと噛ませていたら危ない。
俺が心臓を一突きしてリーダーを殺めてもゾンビ化してムクリと起き上がる。
俺が背を向けていたり動揺したらガブリ両者引き分けとなる。
モヒカンなりのフェアネスか。
だからリーダーはゾンビの弱点でもある首か頭を提示してるわけだ。
そして首の方がダメージが分かりやすい。
「よしお、モヒカンはお前に持ってて欲しい。」
俺が静かにうなずくとリーダーは安心したような顔をした。
そして首を切りやすいように少し頭を傾けてくれた。
「よしお、セカンドシーズンは同じチームで遊ぼうや。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます