第21話 映像
犯人への果たし状を置いた翌日、見回り
(モヒカンリーダーへ
決闘は明日の昼12時、遊水池公園広場。
きのうは1週間ぶりに雨が降った。
武器は刃物とヤリや棒を認める。
弓や拳銃など飛び道具禁止、爆発物は禁止、トラップ禁止。
一対一の決闘を受ける。
よしお )
「リーダー、映像撮れてました。」
交差点に果たし状を置いた時にビルの上にスマホもセットしておいた。
バッテリーの続く限り交差点の映像を録画している。
画質は悪いが果たし状を取る人影が撮れていた。
「ゾンビですね。ゾンビが手紙を読んでいるって・・・」
マサハルがそう言ってきた。
スマホの映像をアップにすると首元の縫い目が見えた。
「頭が不自然にフワフワ動いてる。こいつは中身が人間だな。」
俺がそう言うとメンバーたちは驚いて騒いだ。
「ゾンビ皮を着ているって?都市伝説じゃないすか。」
「あの焼きナッツ臭に耐えられるワケねえ。不可能だ。」
「タクヤだって試しに皮をかぶって2分で失神したんですよ。」
「リーダー、そんな狂った野郎がいるなんて信じらんねえす。」
「もし中身人間だとして、よしおって野郎は鼻が無いんですか?」
倉庫のスミにはレンタル屋から取ってきたDVDが高く積みあがっている
電池で見れるようにしたDVDプレイヤー
ホラー映画なんて生ぬるい
感動ドラマもクサイだけ
おととい来やがれラブロマンス
コメディなんか笑えねえ
ゾンビ映画は頭に入らず
映画みたいなこの世の中で
唯一の救いは災害チャリティ
チャリティのライブ映像
有名歌手が歌ってくれる
ライブDVDだけが応援してくれる
バラードで泣いて泣いて
このゾンビパニックのためのチャリティでは無いと気づいて倉庫で笑う
ユウジが他にも決定的な事を映像から指摘した。
果たし状を置いた場所は一段高くなっている。
ゾンビ皮の野郎はその一段を上がった。
そして果たし状を置いた台座の足元の段差も上がってきた。
もしゾンビなら階段の一段が上がれない。
俺は割れている意見を統一してメンバーに言った。
「決まりだな。敵はゾンビ皮を着ている凶悪な人間だ。」
短い沈黙。
「敵は、よしおは、ゾンビスーツを着ているスーツァーだ。」
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