第4話 バックヤード

ゾンビスーツ着用によってゾンビに囲まれても平気なことが分かった。

俺はさっそく近所のスーパーマーケットをまわった。

三店目でついに米やパスタなどの食糧を発見した。

最初の2店舗は店内がガランとして食品が買占められたのか無くなっていた。

スーパーのバックヤードにも入ってみたが食品は無かった。

ゾンビパニック後、1か月も経過しているので略奪もあっただろう。

この三店目は店内にゾンビが大量に居た。

俺はゾンビスーツだからその中にグングン入ってバックヤードを目指した。

店の奥のスタッフ用のドアを開けると食品段ボールが積まれていた。

やった、これで数か月は大丈夫か。

俺は重い段ボールをスーパー2階の無人の事務所へ運び込んだ。

ゾンビスーツを着たままなので体全体、特にヒザが疲れた。


もう体力の限界だぞ激重の段ボールめらがコッチは三日前から食べていないのに鉄のような重さは何だ殺す気か俺はゾンビスーツを脱ぐわけにはいかないのはたしかだし事務所のロッカーの中からゾンビが出てきてガブリエンドはここまできて絶対いやだし階段があるのでゾンビは上がってこねえから一休みできるが人間の悪人は上がってきて俺を襲うかもしれないから安心できぬ激重段ボール俺はまだ死ぬわけにはいかないしスーパーの人も食品を持ち出せないほどの緊急事態で逃げてるかあるいはスーパーの人もガブリでゾンビになっている。


最初の二店舗は人間に荒らされていて食品は全く無かったのにこの店は残っていた。

三店舗の違いは店内がゾンビで満たされていたか否かということぐらいだ。

よく考えれば店内がゾンビで満員なら人間はバックヤードまで進めない。

だからこのスーパーは食品が略奪されずに残っていたのだろう。

見方を変えればゾンビたちが食品を守ってくれていたとも言える。

人間が店内のゾンビを一掃しようにもハイリスクだ。

ゾンビを音で誘導して店外に出そうとすると危険だ。

音で周囲のゾンビが集まってしまう。

事務所にあった携帯コンロで湯をわかしてパスタを作っていたら夜になった。

ゾンビは食糧を守ってくれるが人間は略奪に来るから怖い。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る