第2話 隣のゾンビ

自宅に籠城している時に俺は外の様子をよく見ていた。

逃げる通行人がゾンビに首をガブリとされた。

そのままガブガブされているとゾンビは興味を失って去って行った。

通行人は大出血で動かなくなり死んでいる。

1時間ぐらいすると死んでいた通行人がゾンビ化して歩いていった。


自宅の前の道路を100人ほどのゾンビの大群がゾロゾロ通過するのも見た。

そこで俺はあることに気づいた。

ゾンビは隣のゾンビを襲わないのである。

ゾンビはゾンビを襲わない。

ランダムに襲うのではなくゾンビは人間のみを襲う。

つまりゾンビは人間を見分けているのだ。

そうしてゾンビの同士討ちを防いでいる。

もし見分けられなければゾンビ同士で共食いになってゾンビは絶滅している。

ゾンビは何らかの手段で味方ゾンビを見分けている。

備蓄食糧も無くなったので俺は試してみるしかないとゾンビ狩りを決行した。

自宅の玄関で大男ゾンビの中身を抜いてゾンビスーツを作った。

それを着て外へ出てみたのである。


向こうから恐ろしい顔のゾンビの集団が歩いてきやがるからコレ囲まれるなと思っても、どうしようもない事は分かっているけれども俺はまだ死にたくはないし最低でもこの空腹を何とかして人生フィニッシュしたいし既にもうゾンビに完全に囲まれたけれども人間バレしていないようで何より、やはりゾンビ達は人間を匂いで判別しているようで何より、ゾンビは遠方にいる人間を音で判別して接近した後は人間の匂いをかいで最終的にガブリとやるわけだが俺のゾンビスーツは強い焼きナッツ、いやゾンビ臭で人間臭を消しているから歩いてスーパーへ向かうことにする。


自家用車が走ってくるのが見える。

ゾンビは運転できないから車に乗っているのは人間だ!

俺はゾンビと勘違いされないようにダブルピースをしてアピールした。

自作ゾンビスーツを着てるだけで中身は人間、よしおだ!

ゾンビスーツ・よしおだ!

車は少し距離を保ってエンジンをかけたまま停車した。

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