第40話 料理大会決勝戦前日 悪魔復活

とうとう料理大会決勝戦の前日になった。


ゆりこは緊張していた。


アイヤと共に馬車に乗りレックス街へ行った。


レックス街に着いて中に入ると広場は賑わっていた。


中央には貼り紙が貼られていた。



ーーーー料理王決勝戦ーーーー


料理のテーマ 自由

食材 自由

場所 レックス街の広場

日時 明日の午前11時

審査委員 レックス王


決勝戦選手


サラ

ゆりこ

カイリ


ーーーーーーーーーーーーーーー


ゆりこ「とうとうサラと対決か。」


アイヤ「ゆりこさん、最近サラさん見かけませんよね?」


ゆりこ「お店が忙しいんでしょ。私には関係ない。」


アイヤ「サラさんと何かあったのではないですか?」


アイヤはゆりこの手を握り人気のない所へ来た。


アイヤ「何があったのですか?」


ゆりこ「サラに真剣に告白されたの。でもサラは友達にしか見れないって言ったら、だったら優しくしないで、私にもう関わらないでって言ったきり会ってない。」


アイヤ「そうゆう事でしたか。ゆりこさんは自分の気持ちを伝えたんですよね?」


ゆりこ「えぇ。それじゃ納得出来なかったんだろうけど。」


アイヤ「それならいいじゃないですか。サラロイド王子があのような返答したのはまだ好きだからだと思いますが今は少し、距離を置いてみましょう。」


ゆりこ「そうね。また友達に戻れるといいけど。」


アイヤ「ゆりこさん、レックス街に新しい市場が出来たみたいですよ。行ってみませんか?」


ゆりこは頷いて、市場へと向かった。


一方サラは女性と貼り紙を見ていた。


サラ「ゆりっぺと対決か。」


?「サラロイド王子、本当にこれでいいのですか?私は庶民で、サラロイド王子には相応しく御座いませんよ?」


サラ「俺はそんなんで選んだ訳じゃないよ?純粋に一目惚れしたから。オリバ。」


オリバ「ありがとうございます。決勝戦、頑張って下さいね!」


サラはオリバを抱き締めた。


サラ「ありがとう。その為にも一緒に市場へ来てくれないか?」


オリバ「もちろんです。」


サラとオリバも市場へ向かった。


そしてもう1人の決勝戦選手、カイリも2人の跡を追って市場へと向かっていった。


市場はワイワイ賑わっていた。


ゆりことアイヤは珍しい野菜や果物を見て料理に使えるか考えながら、買っていた。


サラとオリバは果物を中心に見ていた。


カイリは大量に買い物をしていた。


だいたい買い終わり広場へと戻ると、決勝戦選手全員が鉢合わせした。


サラ「ゆりっぺ…。」


ゆりこ「サラ…。」


2人は沈黙をしていた。


するとカイリが話しかけてきた。


カイリ「お2人が決勝戦で戦う方なのですね?私の名前はカイリ。素朴な味が自慢のお店で働いています。明日はよろしくお願いします。」


ゆりこ「わざわざ自己紹介ありがとうございます。私は、ユアリア街に住んでいます。そこで小さな喫茶&レストランで働いています。よろしくお願いします。」


サラ「私はサラロイド。レックス街で和食を中心とした料理を作っています。よろしくお願いします。」


カイリ「それでは私は仕込みにかかるのでまた明日。」


カイリは帰っていった。


オリバが次に話しかけてきた。


オリバ「こんにちは。私はオリバと申します。サラロイド王子の婚約者です。」


アイヤ「えっ!ど…どういう事ですか?サラロイド王子…。」


サラ「その通りの事だが?」


ゆりこ「サラ、オリバさん。おめでとうございます。私はサラの幼なじみであり友人です。負けず嫌いで時には泣いたり、嫉妬したり子供っぽい性格ですが、幸せにしてあげて下さい。」


オリバ「はい!もちろんです!」


アイヤ「式は上げましたか?」


オリバ「いい所がなくて…。」


ゆりこ「だったら、ユアリア街でやってみない?」


オリバ「いいのですか?」


ゆりこは頷いた。


アイヤ「それでは式に向けて話し合いをしましょう。」


アイヤはオリバの手を引っ張りユアリア街へといった。


ゆりこも行こうとした時、サラが手を繋いできた。

ゆりこはゆっくり手を離した。


ゆりこ「サラ…。あなたはもうオリバさんがいるじゃない。私と親しくすると、オリバさんが傷つくわ。だから明日の決勝戦と式が終わったら距離を置こう。」


サラ「ゆりっぺ…。俺はまだ、ゆりっぺが大好きなんだ!オリバは落ち込んでいた俺を慰めてくれた。成り行きで婚約者になってしまって…。」


ゆりこはサラにビンタした。


ゆりこ「あんたって最低ね!オリバさんを何だと思ってるのよ!オリバさんの目はサラを心から愛している目に見えたわよ。あんたとなんかと友人でいるんじゃなかった。」


ゆりこは2人を追いかけてユアリア街へ向かった。


サラはその場から崩れ落ちた。


アイヤとオリバは先にユアリア街に着いた。


オリバ「賑やかな街なんですね?」


アイヤ「まだここは街の一部ですが…。」


ゆりこは数分してから着いた。


しかしそこには誰も居なかった。


唯一居たオリバは私を見るなり黒くて丸い物を投げてきた。


オリバ「ちっ。外したか!」


ゆりこ「あなたは誰?」


オリバ「オリバローズ。私は悪魔。サラロイド王子の悪の塊は美味しかったわ。あなたの街の住人達は全員、私が頂いたよ。リディック、アルファ、アイヤ、アルカは反発するもんだから動物にしてあげたわ。」


4匹の子猫がゆりこに駆け寄ってきた。


ゆりこ「何でこんな事を。」


オリバ「どうせみんな私を裏切る。私がしたたかでいたらつけこむ。そんな人間全員をこの世から消し去る。サラロイド王子は本当に愛していたわ。でもね毎回毎回、あなたの話ばかりしてくるの。私の話は聞かない、聞く耳を持たない。それならサラロイド王子の心を悪に染めて食べてしまえば利用価値があるって事よ。でもなかなか染まらなかったから諦めたわ。でもあなたなら利用価値が充分ありそうだわ。」


また丸い黒い物を投げてきた。

避けきれず当たってしまった。

黒い空間に閉じ込められた。


そこには街の住人達もいたが、みんな暗くて喧嘩ばかりしていた。


ゆりこが望んでいない世界がそこにはあり、ゆりこの感情がコントロール出来ずに魔法が暴走して、黒い空間を壊して、住人達と脱出した。


ゆりこの目と髪の毛が赤くなり、オリバを睨み付けた。


睨み付けただけでオリバは吹っ飛ばされた。


反撃しようとしてゆりこに近づいたが、元に戻った、リディック、アルファ、アルカ、アイヤに止められて逃げた。


そして、ゆりこは意識を失い倒れた。

その後でサラがユアリア街へ来て、事の真相を知り、ゆりこの側で看病をした。


ようやく目を覚ましたのが夕方だった。


ゆりこ「サラ…。」


サラ「ゆりっぺ!」


サラは泣きながら抱き締めた。


ゆりこ「さっきは言い過ぎてごめん。」


サラ「俺こそごめん。もう一度、友達に戻りたい。」


ゆりこ「何言ってんの?私達はマブダチでしょ?」


現代のゆりこの友達も来て久々のサラとの再会で夜中まで盛り上がっていた。

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