意味が分かると怖い話1【引きこもり】400字以内
雨間一晴
引きこもり
「ご飯、置いておくからね……」
ドアの前に木製のトレーが置かれた。お皿が二つ乗っている。おにぎりが四つ、山盛りの唐揚げ二十個に、遠慮がちに添えられたブロッコリー。
母親が階段から降りると、部屋の中から出る事なく、男が部屋にトレーを持ち込んだ。
しばらくして、母親がトレーを回収しに行く。
「あら、今日はお腹減ってなかったのかしら?でも珍しくブロッコリー食べてくれたのね、ありがとう」
「……」
いつものようにドアから返事は無く、唐揚げが半分ほど残されていた。
それから一週間後の事である。
「あら、今日は何も食べてないわね……」
突然一日中、息子が食事に手を付けない事を心配して、母親はドアをノックした。反応がない。
「ご飯食べてないけど、大丈夫?ごめん、心配だから少し入るわよ、怒らないでちょうだいね……」
室内で息子は死んでいた。窓が空いているが酷い臭いだ。
検死した結果、腐敗の状況から死後一週間と判断された。
意味が分かると怖い話1【引きこもり】400字以内 雨間一晴 @AmemaHitoharu
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