第17話 ヤミガラス

故郷の友そして家族よ、みんなにこの素晴らしい景色を見てほしい、この青い空、自然豊かな木々を、空は飛ぶと風が冷たく心地いい(寒い)が、夢みたいだ、数日前は肉体ひとつで空を飛べるなんて思いもしなかった、まるで夢のようだ、そう、まるで夢みたいだ、近くに虫さえ飛んでいなければ


「グレイル!頼む降ろしてくれ!虫が虫が近くに居る、絶対こっちに来る!はやく!お~ろ~しーーーてーーー!」


「おい、降ろしてやろうって言えるかーーー!」


「なんで、なんでだ!」


「下を見ろここらは魔物の巣があちこちにある、俺達は魔力を使いすぎて強い魔物と戦えないだろ!早くどこかに下りないと、俺の魔力が切れる、だから寄り道は無理だ」


「グレイル、彼奴を見ろよ、ずっと俺達を見てるだろ!彼奴ら襲いにいつ来るか分からないだろ」


「いや、まぁ俺達が弱ってるの知ってて付いて来てるんだろうけど、問題ないだろ」


「え、知ってる・・・いやだー!虫に生きたまま手足で掴まれたくない!」


「てっ、おい、暴れるな!」


「確かにこっちをじっと見てるが、警戒もしているし問題ないだろ、・・・今は」


グレイルが最後顔を逸らし小さく言葉を述べた


「おい、今なんて言った」


「気にするな、な!」


「気にするな、な!じゃないよ!気にするよ!、今はって言わなかったか」


「アハハハハハハ!」


「グレイル!笑い事か、な!笑い事か!」


雪園は不信に思い、グレイルの顔を見ながら睨みつけた


「ねぇ」


いままで黙っていたユキが雪園とグレイルに声をかけてきた


「ユキどうしたの?」


「蓮くん、あれ」


「ん」


雪園はユキに促されユキが指差す方に顔を向けて自分達の上を見ると、そこには巨大な鳥が飛んでいた、その鳥の足で楽々3人を掴み巣に持ち帰れそうな程、自分達の上を飛ぶ鳥は大きかった


「は」


「今度はなんだどうし・・・あーーー、アハハはは!逃げないと」


「ですよね」


雪園は鳥は全身黒くて長いすらっとした身体で尻尾は長く、カラスの身体を少し長くした体型で、羽は逆立ちカラスよりも厳つい顔の鳥が居た、鳥を見てみるみる顔色が青くなり、グレイルは雪園とユキが何を言っているのかと二人の見ている方に顔を向けて冷や汗を長し、諦めの入った笑いを上げで、真顔に戻り急いで逃げようとしていた、ユキは状況を見てぽつりと言葉を述べた


「二人とも掴まれスピードを一気に出して逃げ切る、行くぞ!」


「「うわああああああ!」」


グレイルがスピードを一気に加速すると速さに雪園とユキは驚き叫んでいたが、鳥はグレイルのスピードに後ろから着いてきていて3人の上を飛んでいたのに下に急降下して距離を縮めて来てすぐ後ろの真上を鳥は飛んでいた


「速すぎる、こいつ魔獣だ!、多分ヤミガラスだ!」


「は、魔獣!普通の動物じゃないのかよ!しかもヤミガラス!カラスかよ!」


「カラスではない、多分ヤミガラスだ!こんな速い普通の鳥は滅多にいない、だから魔獣のヤミガラスの可能性が高い!このままじゃ追い付かれる」


「な!この場合、有効的な魔法有効的な魔法、てっ!なんだ!」


「蓮くん!あの冷たい石上から落とせない!」


「そうかアイスキューブか!ユキありがとう!多分魔力は足りる!グレイル!アイスキューブが地面に落ちる風圧に堪えれるかグレイル!」


「多分大丈夫だ!どっちにしろ殺らなきゃ殺られる!殺れ!」


雪園は手を後の鳥もといヤミガラスに向けた、グレイルに抱えられ空を飛んでいるなか、狙いを決めていた


「死んでも許せよ!鳥!天から降り落ちろ、アイスキューブ!」


「グアアアア!」


上空から五十個以上の大きさが不揃いのアイスキューブが降り落ちヤミガラスは避けていたが全てを避けれず、ヤミガラスの羽に直撃して叫びながらヤミガラスと共にアイスキューブが落ちていった、アイスキューブが落ちる衝撃で激しい風圧をあちこちで発生していた


「ぐっ!」


「きゃあ!」


「キツイ、グレイル離脱してくれ早く!まだ風圧が来るぞ!」


3人はアイスキューブの風圧に耐えながら早くこの場所から離れようとしていたが


「わかってるが、魔力が持つか分からない!」


「うそだろ、グレイル何処かに早く下りたほうが!」


「近くにそんな場所ないよ蓮くん!」


「安全な場所無い!聴こえないかこの声を!」


「声!」


グレイルの言葉に雪園は耳でできるだけ回りの音を聴こうとした


「・・・・・・ッ!これはヤミガラスの声!」


ヤミガラスは土煙で見えない下にまだ生存して叫び声を上げていた


「グアアアアアアアア!」


「だから下には降りられない回りに高い場所が無い、詰みだ!」


「くそっ!」


「まって、あの木!」


「「ッ!」」


ユキの言葉と共に右手で指差された方向に顔を向けると近くに高い木があった


「あれなら」


「下りれる」


雪園とグレイルは木の枝の太さを見て言葉を述べた


「グレイル!」


「わかってる!届け!」


グレイルは残り少ない魔力をふり絞り木の枝に向かっていった

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異世界転移したけどコレ嫌がらせですか? 西園弘樹 @raink

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