人生に漕ぎ出す瞬間のまぶしくて悩ましい時間。海で出会ったふたりは、夏休みの数日を共に過ごすなかで、それぞれになにかをつかみ大人になっていく。風景や主人公の背景が丁寧に描かれていて、自然に小説の世界に入っていました。文章に気負いがなく作者様の優しい視線が感じられました。今後の作品にも注目の作家さんと思います。
人生には、あの時、あの人と出会えなかったらという機会があったりします。ラブソングでも良く歌われるテーマですね。青春真っ只中、でも将来の不安が大きくなって決してバラ色じゃない悩める若者の直球青春物語。いい出会いって、本当に人生を豊かにしてくれるんだな、と思えるお話です。