若者たちのその後その3
さて、若手6人組の内、残るは男性二人となりました。
先にオーベルのその後について紹介しましょう。
彼はとても官僚という職業と相性が良かったようです。
規律や法律、決まり事といった事柄に彼自身強い関心がありました。
ひだまりの情勢が落ち着いてから、彼は法務省に入省します。
彼の視点で見るとひだまりの国は大らかを通り越して隙だらけに見えます。
たまたま自分たちが頑張って官僚たちにあれこれ伝えたので、問題を解決できたわけですが、平和になればまた緩むのは彼の視点では明らかだったようです。
それに外国に汚染されていたという点で、メディアや政治や教育ばかりが目立ちますが法曹界もかなり毒されていました。
それに法曹界は行政や立法から独立した機関でしたので、独自の治外法権的な縄張りが大きいという問題点もありました。
つまり、外部からの干渉を受けにくい所というわけです。
そして、そういう閉鎖的な所を改革するには内部からの力で変える方がより現実的でした。
これらの条件を鑑みた時、規律と使命感をもっていて、融通が利かず、鉄の意思を持って法を守るという資質があるオーベルはうってつけの人物でした。
彼がもし一人で法務省で改革をしようとしたらきっと早めに排除されたに違いありません。
しかし、彼には多くの仲間がいました。
共に戦った者たちの中には若い官僚も多く、苦難の時に共に戦った仲間という絆はそう簡単に切れるものではありません。
こうして彼は法の番人のような立ち位置でひだまりの法規を守るとともに、危険な思想をひだまりの法を歪めて広めようとした法務省の内部の人間を間引くことに専念しました。
その後、ずいぶん後の話ですが、彼は法務省のトップになったのち、転身して政治家となります。
政治家としての人気や権力はそう多くはありませんでしたが、トップのNO2としての地位を確保して、切れ味鋭い政策と、味方にも容赦しない罰を実行する責任者として信頼を勝ち得ることになりました。
彼もゴカン同様、若いころよりも油がのってからの方が活躍したタイプで後に歴史に名を残すことになりました。
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