さらばデンゲル人テレスと仲間たちその20

テレスたちのお別れは十分に互いを確かめ合う貴重な時間を作るきっかけとなりました。

場所は変われど、お互いが今と未来に向けて歩むことは間違いありません。


とにかく、テレスたち長年ひだまりにいてひだまりとデンゲルの為に戦った人々は故郷デンゲル国に帰国しました。


その後の顛末を紹介していきましょう。

まず、ひだまりの国の国内ではデンゲル人に対する憎悪は軽蔑という形に姿を変えていきました。


戦争で勝利した国が敗北した国民に対して往々にして見せるあの傲慢な感情と行動です。

そうした傾向が強かったのは主に2つあります。


一つは今までデンゲルに虐げられてきたと強い感情を抱いた一般大衆です。

以前も述べた通り90%が否定的な評価をしていたデンゲル人についてそう簡単に感情が変わるわけがありません。


もう一つはメディアでした。

この場合のメディアとは新聞テレビなどのオールドメディアとSNSなどの両方が含まれていました。


SNSについていえば、一般大衆の代弁の場ですから当然と言えば当然でした。

ついでに付け加えるなら国の調子が良い時には国民の気持ちも大きくなり傲慢になりやすいものです。


そしてーオールドメディアではこれまた以前話したように大衆の人気を獲得するためにかつてデンゲルとつながっていた連中を含め、悪意を持ってデンゲルを扱う番組やコメントであふれていました。


これに対して、テレスたちがいた時にはまだ情報を抑えるようにしていたために一定の歯止めが効いていました。

しかし、テレスたちがいなくなったとたんに、態度を変えた者は少なくなく、その中には若手官僚たちや6人組のグループで共に情報戦をしていた仲間もいました。


コウメイやヒキコモリーヌたちはその流れを止めるべくいろいろと考え実行しました。

次回はその内容と彼らの苦悩を紹介します。

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