メディア改革その19

「メディアの監視、保護、スパイ防止法」の三点について若手官僚たちが動きました。

まず政治家たちとよく相談、提案をしてメディア内の治安が乱れていることを説明しました。


中には命を狙われたもの、テロの標的として名指しされた者も多くいることを説明しました。

その一方でガチスやデンゲル派の組織の危険性が増していることについても重ねて説明しました。


そして若手官僚たちは結論として、期間限定ではあるものの、メディアの監視と保護を目的とした警察権力の介入を公に示す必要とそのための法律の制定を政治家たちに促しました。


これらの点に関しては、政治家たちもそれぞれのルートで陳情や悲鳴に似た応援要請を聞いていたので問題なく話を進めることに同意しました。


それにしてもです。

ガチスやデンゲルが大きな影響力を持ち、その力に逆らうものがなかった時代であれば、メディアへの警察権力の介入などは猛反対にあい、けっして実現することはなかったでしょう。


しかし、以前も話した通り、メディアという特権階級の要塞の内部で混乱と裏切りが起きるとは誰も考えておらず、しかもメディアの連中は皆自分の身がかわいい、ゆえに以前の独立の精神はどこえやら、彼らの多くは官憲の介入を心待ちにしていました。


しかし、話はここで終わりません。

若手官僚たちはさらに政治家に提案します。


「いまこそスパイ防止法制定の時です!」

この話も以前から出てはすぐに消され、一時は永久に不可能かと思うほど反対が強い法案でした。


しかし、ガチス、デンゲル派の残党たちがテロ行為を複数行っていることで、国民世論ももはや許せないという空気が充満していました。

流石に政治家たちやメディア関係者もこのスパイ防止法には抵抗感があり、今までの流れと異なり慎重と反対の声を上げていました。


しかし、あらかじめコウメイたちとの話し合いで、この事態を予測していた若手官僚たちは語気を強め断言します。

「ここは是非ともスパイ防止法をしっかり制定すべきです!」

さて、若手官僚たちのこの先の言葉はどう続くのか、次回に引き継ぎます。

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