よりましな現実

ガチスとデンゲルという二つの国家がソーラー連邦との緊張関係に入って数か月が経ちました。

経済的な影響という点ではどの国家も、あるいはひだまりを含めた世界中で悪いことが起きました。


互いが互いの特産品や食料、物資などを融通し合う共存共栄の関係から、いやがらせで取引を制限するようなことが頻繁に起こりました。

この争いでよりダメージを受けたのはガチスやデンゲルでした。


元々国際的に傲慢な態度を示していたため、困ったときに助けあうという国際的な流れの中でこの二国は取り残されていったのです。

これは、彼らの民族主義が根源にあるために起きた出来事でした。


当たり前ですね。

普段から友達を見下しないがしろにして、自慢ばかりしている人間を見たら、何か困ったことが起きた時に助ける順番は後になるのは自然な事です。


それに対して、ひだまりの国にはそうした民族主義がほとんどなく、むしろガチスやデンゲルの民族主義の主要な被害者でした。

当然、弱気なこの国に対して、国際的に見れば悪い感情は起きにくく、相対的に見れば困ったときに助け合うには良い友人、友好国でした。


そうした事情から、国際的に緊迫した空気は立ち込めているものの、ひだまりの国内は大きな混乱は起きませんでした。


ちなみにガチスやデンゲルでは物資不足による物価の上昇とソーラー連邦との紛争による軍事費の増加、そして税金の大幅徴収と言論の自由の制限、これらが重なった結果国民のマインドも生活も暗いものとなりました。


ひだまりで好き勝手やっていたガチス、デンゲル派の議員や財界、メディアの協力者たちは皿の水がなくなったカッパのように元気がなくなり、やがてフェイドアウトする者が続出しました。


こうした変化によってひだまりは行政や経済界において重荷が取れました。

以前説明したガチス、デンゲル派の為に使われたお金がひだまりの民に使われることで結果的に行政効率がアップしました。


また、経済界においてもガチスやデンゲルに流れるお金がひだまりで循環することで景気が回復、科学の分野でも今までガチスやデンゲルによって抑えられていた様々な発想が解禁されてひだまりの為の開発が自由にできるようになりました。

結果としてよりましな現実が実現したのです!

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