仲良くなるのは難しい
コウメイたちとテレスたちデンゲル人仲間との付き合いは長くなりました。
まだ、ひだまりがガチスやデンゲルに蹂躙されていた時から、互いの国の未来のために互いの民を尊重しつつ、協力していました。
デンゲルとひだまりの民が憎しみ合う中でも互いに敬意を持ち、金や色事で互いを出し抜くこともせず、まさに誠実な関係を保ち続けていました。
そのような固い絆があり、また今でもその思いを保ち続けているからこそ、彼らは民族的な憎しみを超えた友情と信頼を築くことが出来たのです。
それでも、時々意見が異なり、争いの亀裂が見えることもありましたが、それをお互いが意識して埋めようと努力をしていたことも大きな要素だったでしょう。
また、ガチスやデンゲルのやりすぎを意識しつつも、状況が変われば自分たちがその立場になるという邪心がなかったことも重要です。
要は志があったのです。
ゆえに今日に至るまでひだまりの仲間とデンゲル人テレスの仲間は仲が良く、これからもその関係が壊れることはないでしょう。
しかし、物事には逆の視点という物があります。
これだけの時間、これだけの実績と信頼が重なって初めてこれだけの固い絆が出来たということは、逆に言えばこうしたことがなければ、民族ごとの憎悪を抑える事が難しいことを意味しています。
コウメイやヒキコモリーヌはそれが分かっていました。
一般のひだまりの民に自分たちと同じレベルの友好や信頼関係を築くことが非現実的であるということを・・・
苦々しい思い、これはコウメイだけでなくヒキコモリーヌも6人組のサン、マーズ、ムーン、ゴカン、バグダ、オーベルも共有していました。
多くのひだまりの民よりもはるかに頑張って働き、今日のひだまりの解放に尽力したデンゲル人、それを後からしたり顔で見下すひだまりの民の姿は醜悪に見えました。
それでも、大きな流れを変えることは誰にもできません。
この、人種の争いの問題は今後も続くことになります。
さて、こうして時間が過ぎ、ひだまりの様子も大きく変化していきます。
次はその進展について紹介します。
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