世界の混乱とひだまりの地方議会その2

地方議会の財政についてはとても大きな課題がありました。

ガチスやデンゲル派に属する人々から見れば、ひだまり派の財政改革は今までの既得権益を真っ向から犯す凶事です。


世界情勢がどうであれ、やはり金のつながりというのはとても大事です。

ここで、ひだまり派の中で二つの大きな考えが生まれ論争となりました。

一つは、ガチスやデンゲル派の支持者たちを取り込むために、彼らの権益をある程度保護するのが良いという考え。


もう一つは彼らにおもねることなく改革を行い、財政に余裕が出てきた場合には彼らにではなく全体的に減税などを行うのがよいとい考えです。

この話を聞いたひだまりの中央にいる人々、6人組やヒキコモリーヌたち、そして若手官僚たちは事の重大さを認識し話し合うことにしました。


もしここで地方の議会の中でひだまり派が二つに分かれてしまっては大変なことになる。

具体的にはひだまりの行政の弱体化を好機と見たガチスがひだまりに攻める口実になる、そんな危険性を認識する者たちも少なからずいました。


基本的にひだまりの中央にいる人々の中に上記の2つの提案について優劣をつける者はいませんでした。

あくまで地方の権益の問題なので、中央とは感性も違う、また地方でもそれぞれ状況はことなるだろうという考えが出されました。


こうした思索の上、中央の人々が地方の議会にトップダウンを想起させるような命令や提案をするのは得策ではないという意見もありました。

こうして、様々な話し合いがなされた結果、下記のような結論を「命令や指示」ではなく「提案」という形で各地方のひだまり派に送ることにしました。


実の所、多くの歴史が示す通り、明確な敵が存在する場合、一致団結するのは比較的容易といえます。

しかし、突然敵がいなくなると今度は仲間内で争いが起きるというのはこれまた歴史の中で幾重にもわたって行われてきた愚行です。


そうした点をコウメイたちが踏まえたと思える地方に対する「提案」とは何か?

次回に続きます。



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