ひだまり奪還の狼煙その8

地方選挙の期間は刻々と過ぎていきます。

若手地方官僚たちはとりあえず、新人議員たちに対して障碍者クラスタと生活保護クラスタから選挙に関する援助の提案があったことを伝えることにしました。


その行動に対する新人議員たちの反応は様々でした。

ある新人議員はヘイト、偏見によるものなのでしょうか、すぐにお断りの意思を明示しました。


こうした議員は意外と多く、後で集計して見ると全体の2割以上に上りました。

それとは全く逆の反応もありました。


選挙でこのままでは勝てないからという者、どんな手を使っても選挙で勝ちたいと思う者、自信のなさと不安感からわらをもすがる思いを持つ者、こうした議員や仲間たちは提案に乗る意思を示しました。


選挙に詳しい障碍者、生活保護クラスタと若手官僚たちは公職選挙法や、各種メディアの過去の選挙違反に関する記事を集め、健闘したうえで問題が表面化しない方法で援助することにしました。


具体的には、今回の選挙で問題のない選挙経験のある人材を新人議員側の参謀に据えることで援助することが一つ。

もう一つは障碍者たちの票の一部を彼らに対して友好的な新人議員に融通するという暗黙の取り決めをするというものでした。


この場では、とりあえずこうしたことが決まりましたが、新人議員の側の参謀となった人々はその経験を生かして、今までの素人の選挙戦とは違う効率的できびきびした選挙運動が出来るようにあらゆる助言を行いました。


これも後で分かったことですが、その結果として、障碍者たちとの協力を断った新人議員と彼らと友好的な関係をもった議員との間で約50%の当選確率の格差が生まれることになりました。


余談ですが、得票数で見ると障碍者側を味方につけたことによる上積み票は約20%

ほどでした。


つまり、障碍者たちによる票の援助よりも、彼らを味方にしたことによる技術的な上乗せの方が当選という戦においては重要な要素だったという結果が、これも後から判明することになりました。


さて、選挙期間も後半に入りましたが、ガチスもデンゲルもこのままでは終わりません。

次はその点について紹介したいと思います。



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