ひだまり奪還の狼煙その4

さて、メディアの方でもガチスの混乱とデンゲルの粛清によって大きな地殻変動が起こりつつありました。

主に金と女と力によって望んでガチスについていたメディア関係者の多くが粛清の対象となったためにテレビや新聞の論調が明らかに変化していました。


もちろん、彼らが反省してひだまりの民に詫びる、などということはありませんでしたが、今までのように余裕の勝ち戦の中でコメントしていた時とは明らかに環境が変わっていました。


あるものは顔をこわばらせてぼそぼそと発言するようになりました。

またある者は虚勢を張って喚き散らしました。

またある者は憎しみの表現を隠そうともせず、怨嗟の声を上げてひだまりの民を呪っていました。


どれも今までの自分たちの正当性を訴え、ひだまりの国の評判や元気を削ぎ落そうとするものでしたが、ほとんどのひだまりの民にとってその言葉は無力か、あるいは逆効果でした。


また、ガチスやデンゲルの工作員だった存在が減少したことにより、ひだまりの民に寄り添うものたちや中立な視点から発言する人々が徐々に増えていき、メディアの中でも新陳代謝が起きる予感がありました。


このメディアの中でのせめぎ合いはヒキコモリーヌの管轄でしたので、主に彼女の人脈がモノを言いました。

この点でも徐々にですが、新聞やテレビなどの内部情報を協力者たちから仕入れ、人事に介入できる隙があればその隙をついていきました。


もっともこうした調略はガチスやデンゲルがかつて行ったことを逆にしただけのものなので特に斬新なものではありませんでしたが・・・


とにかくメディアもひだまり側に傾くことで民衆もガチスやデンゲルの影響から解放されていきました。

そして、それは当然のこととして地方選挙においてもプラスに影響することになりました。


特に田舎が多い地方選挙ではSNSよりもテレビや新聞の影響の方が大きいため、この変化はもろに反映されることを期待されました。

次は地方選挙とその裏側、そして驚くべき新展開について紹介します。


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