デンゲル対策

バグダの爆弾発言!?、によって喧々諤々となった若手官僚たちの会議室でしたが、何とか混乱はおさまったようです。


その代わり、疲労感が会議室を覆うことになりました。

そんな空気の中、次の議題としてデンゲル対策について話し合われることになります。


テレスたちデンゲル人にとってはもちろんこれが最大の課題なわけですが、ひだまりの民から見るとガチスの存在の方がはるかに大きく、しかもこの話の前にエネルギーを消費したために空虚な空気が漂っていました。


コウメイとヒキコモリーヌはテレスを見ながら「お気の毒に」と心の中でつぶやいていました。

つくづくバグダの発言は罪づくりなことで・・・


さて、気を取り直して会議の様子を見ましょう。

デンゲルに対して使うことの出来るリソースはあまりないということが確認されました。


しかし、警戒は必要であることと、ガチスとの連携という危険要素については油断せず監視することも同時に確認することにしました。

ここで、なんとまたバグダが発言をしようとします。


当然、会場の雰囲気は複雑で、警戒感と疑念と空虚さが入り混じっていました。

今度は何を言い出すやら。

若手官僚たちは身構えます。


「ここでガチスとデンゲルの力を借りてひだまりの裏切り者を処断すれば後々楽になるんじゃないですか~」

え、何言ってるの!?

若手官僚たちはあまりの発言に心の底から唖然としていました。


「イヤイヤイヤ、ついさっきほとんど同じ提案してえらいことになったでしょうが、

学習能力ないの、バカなの?」

多くの若手官僚たちは心の中でそのように強く感じていました。


しかし、先ほどと違い、コウメイとテレスは真剣に考えていました。

この一見まるで同じと思える提案を彼らがなぜ真剣に考えたのが、二人の思考、特にテレスの思考を追っていくことにします。


ガチスとデンゲルは共にひだまりの仮想敵である点は同じでしたが、その根本思想が異なっている、コウメイはそう考えていました。


テレスはさらに深く、ガチスは勝負や損得勘定で戦っているが、デンゲルは違う!

私たちはともかく多くの同胞は感情と宗教的な価値観でひだまりの民を敵視している、この温度差は明らかに異なるものだ!


テレスの思索はさらに続きますが、続きは次回に。



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