電脳領土

「電脳領土」6人組の一人、女性のムーンが出したアイデアです。

ガチスの工作員やAIを意識して彼らが獲得して満足するであろう成果を電脳空間に用意して、ひだまりの民に対する洗脳や情報操作のエネルギーを可能な限り削ごうという発想です。


細かい説明をすると、障碍者など、特定のカテゴリーの人々をあらかじめ準備し、ガチスの工作員のポイントを獲得したかのような書き込みを増やし、彼らのAIにも成果を水増しさせようという狙いがありました。


また、一般のひだまりの民に向かう、あるいは接する機会を可能な限り減らし、そのエネルギーのベクトルを囮の電脳領土やすでに染まっている上級国民に向かわせるという発想も考えられていました。


一見するとピンとこないかもしれませんが、今までは現実世界で物量に押され、出来るだけ侵入させないというとてもしんどいミッションでした。


それが、今度は負けてもいい、むしろうまく負けるのが目的ということで情報戦の難易度も、心理的圧力もかなり改善することになります。


最初の説明を聞いて戸惑っていた若き官僚たちも、今までの6人組のアイデアとその狙い、今までの実績があるため反対する者はほとんどいませんでした。


こうして、情報戦はSNSだけではなく、国家の一部を巻き込んだ形でひだまりの国も戦う態勢は整いつつありました。

後は、実際にどのような効果、影響があるか、そしてそれに対するガチスやデンゲルの動きはどのように変化するのか。


そうした点を丁寧に把握しながら、情報の流し方、タイミング、そしてガチスやデンゲルとの人脈の構築などを同時並行的に行うことになりました。


100年単位で戦争をしていないひだまりの国の官僚と国民が最新の情報戦という戦いについに攻勢という形で動くことになりました。


さて、この一連の作戦、話し合いはどのような影響をそれぞれの国に与えたのでしょうか。

それは次回のお話で。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る