ひだまりの国の情報戦の推移

さて、本格的な情報戦の反撃開始です。

まず、障碍者クラスタや親ガチス派の議員クラスタ、経済的にガチスと結びつきの高い企業、芸能関係などに多くに人員を派遣して、あたかも人が多く集まっているように演出しました。


そうすることでガチスのSNS工作員はコマセに集まる魚のように群れをなして集合していました。


SNSでそうした界隈ではガチスの工作員が望むコメントやいいねが多く集まることになり、恐らくガチスの情報戦の要となるAIも高評価を出すことが容易に予想できました。


つまり、囮に工作員が引っかかり、その報告をAIが評価する形を完成させたのです。

まだ、ひだまりの官僚からの詳しい追加情報はありませんでしたが、SNSの現場の空気を見るにこの作戦は成功しているようでした。


一方、囮の電脳領土とは違う、今までと同じ一般人が集まる電脳界隈ではガチスとデンゲルの工作員に手柄やポイントを与えないようにガチに情報戦が繰り広げられていました。


それぞれの陣営が人員を大量に動員し、あちらこちらで議論が巻き起こっていました。


ここではあらゆる論法、データ、著名人の発言などが飛び交い、ひだまりの国のイメージダウンを狙うガチス、デンゲルの連合軍とひだまりの民、その中でも6人組のうち男性陣の部隊が集結して論戦をしていました。


今までのパターンだと数の多さや大胆な主張の印象が強かったためにひだまりの民のイメージが低下する結果となり、そのまま、ガチスとデンゲルの自画自賛という流れでしたが、電脳空間の影響でガチス側の絶対数が減少したことと、6人組たちひだまりの民のディベート力が上がったために激戦の様相を呈していました。


そして、数か月という長期戦の後、ついに戦線の均衡が破れ、ガチスとデンゲルの連合軍は徐々に発言力を弱めていきました。


いつ終わりが来るともしれない文字の打ち合いの戦いの中で、明るい兆しに安堵しつつも、この戦場で戦ったひだまりの民たちは不思議に思い、理由を知りたがりました。


そして、それは次の官僚たちの会議で明らかになりました。

その話は次回に紹介します。

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