猟犬を生かしてうさぎも残る その5

何故、悪が栄えたためしがない、という言葉があるか、皆さんはどのようにお考えになるでしょうか。

歴史的にみれば、道徳的、道義的悪人が天寿を全うする例は多く、後世に悪政と伝わる政治体制もある一定期間は影響を与えることがしばしばです。


それでも最初の言葉が歴史的教訓として残るのには理由があります。

それは悪、あるいは悪政というのは持続性がない場合が多いためです。


具体的に言うと悪政とか悪という存在は不法や不公正の代わりにお金や物欲や暴力で支配するわけですが、こうしたものは長続きしないのです。

常に供給しなければなりませんが、どれも限界があります。


ゆえに、悪政の末期には法を持った力ある存在に民衆はなびき、悪政を行った者やその関係者を処罰することになるのです。


もちろん、そうして変わる存在が絶対正義ということはありませんが、民衆などが応援し、注視している間はより法と公正に基づいて政治を行おうと努力する場合が多い。


民衆たちが将来に対して希望を抱いている間は古い悪政よりも新しい善政を望むのは古今東西で見られることで、それにその地域の人々の歴史や文化に基づく民意という要素が混ざることで、その国、地域の治安や安定性が決まるという見方もできます。


さて、天ぷら作戦とかつ丼作戦でひだまりの民の中で少しづつ分離、分裂が始まっていました。


ガチス、デンゲルによる資金などの援助と恐喝により従っていた上級国民層とメディアなどによって彼らの声に従順に従っていた一般層との間で明らかに温度差が出てきました。


それは、数字にも表れていました。

メディアが定期的に調査する政治家の支持率と実際の民衆との意識との間に明らかに相違がみられるようになり、民衆の多くもそれを話題にするようになりました。


また、芸能人の人気も同じようになり、民衆はもはやメディアの作られた人気につられることについて反応が鈍く、薄くなっていました。


遠い昔のことのように思われますが、カリン事件、女性が闇の勢力に巻き込まれメディアによってこれまた闇に葬られようとしていた話も、このころに再び脚光を浴び。SNSなどで公然と話題になるようになりました。


不思議なことに、前であれば言論封鎖をしていた運営側も動きが鈍くなっていました。

恐らく、えも知れぬ恐れのために動きが鈍くなったのではないかとのうわさでした。


さて、この一連の変化とは別にある女性が大きく動くことになります。

次はそのお話を紹介します。


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