狡兎死して走狗烹らる その8
デンゲル人テレスは非主流派とはいえ、議員を父にもつデンゲル人の上級国民でデンゲル政府の内情についてある程度の情報を把握する能力がありました。
また、彼はひだまりの民と違い、祖国に対する絶望とその絶望に立ち向かう覚悟を持っていました。
彼は予想されるであろうデンゲルの崩壊の時に、ひだまりの民を敵に回さず、復興の時に力を貸してもらうためにひだまりのヒキコモリーヌやコウメイと手を組みました。
さて、彼が6人組やヒキコモリーヌたちにもたらした情報は概ね下記の点でした。
デンゲル政府はこの点に関しては直接関与はしておらず、むしろ無関心と困惑が入り混じった反応である。
デンゲル情報部は事の真相についていくつかの情報を持っているが確信があるわけではない。
どうも、デンゲル情報部もこの件 (死亡事故) に関わっておらず情報を収集中。
この件に関して、ガチス統合国の意向が確認され、ガチスの情報部が活発な動きを見せている。
ただし、ガチス関連は正確な情報は少なく、憶測と情報工作が錯綜していて全体図が見えていない。
この情報を聞いて6人組とヒキコモリーヌはそれぞれ思う所がありました。
デンゲルが正直嫌いな潔癖漢のオーベルは少しの疑いと、なによりひだまりの国の情報把握能力の無さにいらだちを感じていました。
何を考えているか分からないバグダはこのテレスの情報を聞いたあとニンマリしていました。
とはいえ、何も発言しなかったので周りの人々の気持ち悪いという視線が集中するだけでしたが・・・
後からひだまりの情報を聞いた形のテレスと他の人々は共通のある認識を持ちました。
それはこの件の主犯はガチスではないか! ということです。
ただこれはあくまで推測にすぎず確証となる証拠はありませんでした。
正直、ガチスを良く知るテレスやゴカンのような国家の恐ろしさを知る者からするとガチスが証拠を残したり、疑惑の種となるようなヘマをするとも思えず、これ以上の情報や証拠は出てこないのではないか、という半ばあきらめの気持ちもありました。
しかし、情報はある程度集まりました。
これからどうするのか、それは次回に紹介します。
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