マイノリティーの闇
若くて能力も学力もある6人組にとってマイノリティーというのは正直な所、別世界の人達でした。
男女間の性差に関して比較的現代に広がっていった思想的なマイノリティー。
身体障碍者や精神障碍者などの健康とは違う特性を持つマイノリティー。
他にも細かく分ければきりがないほど多くのマイノリティーは存在しました。
しかし、6人組は若いことと今までの環境からそうした点はあまり知りませんでした。
しかし、SNSに関心を向け、こうした事態に巻き込まれ真剣に向き合った結果、そうした少数者達の集団を無視できない、あるいは無視するのは得策ではないという結論に達しつつありました。
きっかけの一つはとある腕に障碍を持つ人のコメントが沢山の人々を引き付けたことです。
こういう書き方をすると美談かなと思う方もいるでしょうが、賛否がありました。
というか反対意見の方が圧倒的に多い騒動でした。
実はこの腕に障害を持つ人はガチス統合国とデンゲル国の熱心な信奉者であり常にその意に沿うようなコメントをSNSで行っていました。
あくまで噂ですが、この人物は両国から資金や人員など多大な援助を受けているともっぱらの評判でした。
その一方でひだまりの国に関してはぼろくそに貶すコメントが常に表示されていていて、この人物の交友関係もやはりガチスやデンゲルに近い人物やそのまんま彼らの国の政治家や公人が当たり前のように表示されていました。
しかもこの人物は国王のように振舞い、周りの支持者やボランティアを奴隷か召使のように扱い、それをSNSで誇らしげに紹介していました。
そうした悪行が明らかになっているにも関わらず、彼は社会的に高い地位にあり障碍があることを除けば上級国民のような立場と生活と言動をしていました。
まるで、カルト教団の教祖と信者のような社会的構造はガチスとデンゲルによく見られる現象でした。
それと同時にこの人物に関わる人々の人数と社会的影響力の大きさは無視できないと6人組は考えました。
事実SNSでのその日の話題ランキングで1位を取ることの多いことがその考えに拍車をかけました。
次の章ではこの現象からなにかをたどり寄せる6人組の軌跡をお伝えします。
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