「漸減作戦」 (ぜんげんさくさん)その2

ガチスの物量にゲリラ戦をしつつ、言論戦で勝てそうなときに一気に味方を集めてSNS内の雰囲気をガチス寄りからひだまり寄りにする。


それだけでは到底太刀打ちできません。

そこで、さらに細かい方法を考えていきました。


例えばガチスとでデンゲルは反ひだまりという点では同盟関係にありましたが、それは信頼や友情とは無縁の打算によるものでした。


そこで、ガチスとデンゲルが争っている分野を見つけてそこめがけて疑念の種となるようなコメントを置いていく方法を取るという方法。


あるいは、言論ゲリラ戦の延長として、ひだまりの国旗や象徴となる自然遺産などをアイコンに使わないように隠し、無知な第三者になったつもりでやり取りすること。


逆にガチスの工作員のような振舞いをわざとして明らかにおかしな言動や情報を流し話の流れを不自然、あるいはおかしな形にすること。


あるいはガチスの工作員とデンゲルの工作員になりきりのキャラを作り上げて、彼らの中で争うようなコメントを大量に用意し拡散すること。


ひだまりの民が順法精神を強く持っていることを利用し、特定の憲法や法律を金科玉条のように書く工作員に対して同じ工作員の仲間の振りをしつつ、話をそらしてみること。


わざと工作員に騙されるダミーのひだまりの民を複数用意して彼らの時間を奪うこと。


ひだまりの民の生き残りを鼓舞し共に頑張る仲間が多いことを伝えること。

同時にガチスの工作についての情報を以心伝心で伝えていくこと。


他にも細かなアイデアは沢山ありましたが、どれもガチス、デンゲルの連合軍の流れを止めるには遠く力不足でした。


こうなると、今まで日があまり当たらなかったひだまりの民に目を向けることになります。

正直、焼け石に水かも知れないとはいえ少しでも仲間を増やしたいというのが6人組の切実な願いでした。


次の章ではいわば、ひだまりの国の中でもマイノリティーな層に目を向けていきます。




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