閑話休題 孫子準備体操編15

さて、前回は日露戦争で日本は勝ちましたがそれはギリギリに勝利であり、国際的には奇跡の勝利ではあってもそれは贔屓目な見方である。


そしてその講和の内容は勝利とはいえ、民衆からは到底納得できない内容でした。

そのような内容でしたが、それでもアメリカに不満と不信をもたらす結果になって

いたことを説明しました。


長くなりましたが、このことが今の日本君にとってとても大事な過去の失敗の軌跡です。


では、さらなる悪い意味での進展について話をすすめていきます。

時は日露戦争から10年後の第一次世界大戦、この時日本は比較的安全で優位な立場でした。


戦争には勝利した連合軍側となりました。

日英同盟によって今度は日本がイギリスに変わってアジアでの敵対勢力の掃討を行いイギリスをサポートします。


また、地中海に軍艦を派遣して活躍しています。

WIKI等を見ると日本の兵力は80万、日露戦争の時は50万だそうです。

ただ、この時はヨーロッパ各国が本国の防衛に手いっぱいという状況なので日本はアジアでは比較的容易な戦いをしていたでしょう。


とにかく日本は日露戦争と比べればはるかに低いリスクで大戦果を挙げることが出来ました。

その結果南太平洋やアジア地域で権益を獲得し、国際的地位も上昇しました。


ここまでは日本にとって順調でしたが、ここでアメリカが何やら動き出します。

それは日英同盟の弱体化と将来の解消という外交的攻撃でした。


理由は日本の勢力拡大の阻止と孤立化を目指してのことでした。

イギリスとしては日本とアメリカの板挟みでしたがアメリカの強い要求のため日本との関係を弱めることを選択します。


こうしてアメリカは日本を国際的に孤立化させました。

そして、日本が中国に対して権益を広げつつ、アメリカに経済的には深く依存しながらも政治的、軍事的にはどんどんと険悪になっていき・・・


後は説明の必要はないですね。

つまり日本が政治的、軍事的に独立していた時でさえアメリカを怒らせ要求をのまなかった場合、多少の譲歩をしても警戒され潰された、これがかつての日本の失敗した歴史です。


実の所答えは一つしかありません。

アメリカが健在な間は軍事的、経済的に欲張ってアメリカの恨みを買わない事。

これだけであり、これが重要なのです。


でも、それはアメリカの言いなりになるということではありません。

たとえ、選択肢は狭くても、その中から適切な交渉をし、勝ちすぎず、負けすぎないように慎重に交渉、また行動すること、それが日本君の生きる道なのです。


さて、アメリカが勝つというシナリオで考えてきましたがまだ残り3つのシナリオがあります。


では次は中国が勝った場合について考えてみることにしましょう。


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