若者達による情報戦作戦案3

6人組に逃げ道はない、少なくとも彼らはそう強く決意していました。

一度レッテルを張られるとどうにもならない、序列が決まり未来が決まる。


6人組は決して反体制派にも革命志望の活動家にもなりたかったわけではありません。


ごく普通の暮らしが出来れば十分のまあ、少し裕福な一般市民でした。

彼らも別にひだまり国粋主義者でもないので助かる方法は考えました。


でも仮に謝ってもいいなりになったとしても安全は保障されない、ひだまりの国の中で得た情報でもそうした将来が見えるほどの採点主義と序列社会がガチスとデンゲルの社会構造でした。


国民感情は悪化して、戦争になる、そしてどちらかが徹底的にやられた場その時の勝者と敗者の力の関係や国民感情がそのまま和平、あるいは休戦の条件に影響します。


例えば、かつて日本が負けた時、アメリカ全体の日本に対する国民感情はひどい物でした。


また、力の差も歴然であったため和平というよりも降伏というより日本にとって条件の悪い形となりました。


しかし、米国内には少数でしたが日本に好意的な人々もいました。

そのおかげでアメリカが日本に課した条件はソ連など他の国々よりははるかにましでした。


事実、領土についてはアメリカは本土を返し、後には小笠原や沖縄を返還しています。


それに対して他の国々は北方領土、竹島などを占領し、尖閣諸島についても争いを続けています。


誤解のないようにつけ加えますが、別にアメリカが優しいという話をするつもりはありません。


彼らは彼らの打算で動いている面も大きいからです。

それでも、憎しみという感情が薄い分だけ交渉すればよい条件を出してくるのも動かしがたい事実です。


それに対して、ひだまりの国の置かれた状況はそれよりも悲観的でした。

デンゲル国もガチス統合国も自国第一主義の国家であると同時にひだまりの国に対して侮蔑と憎しみを公の教育やメディアなどで公然と吹聴していました。


ハッキリ言えば国策としてひだまりの国と民を敵扱いしていたのです。

このような国々がもしひだまりの国を攻撃、占領でもしたらひだまりの国は地獄です。


第一、自分達6人組が最初の危険人物になるのは目に見えています。

この時期SNSなどで多くのひだまりの民がデンゲルやガチスに対して抗議と反対を


声高に叫んでいましたが、それはどちらかというと好き嫌いの範疇で、本当の意味での恐怖を実感する人々は少なかったのが実情でした。


この少し後に詳しく説明しますが、この意識の違いが6人組に新たな思考を授けることになります。





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