「カリン」事件
カリンという名の一人の少女がいました。
彼女はごく普通の家の娘で、アイドルになるために地道に歌や踊りを練習する真面目で明るい少女でした。
当時、アイドル投票に参加する人々も投票する人々も嵐のような状況で動揺していた中にあって彼女はまっすぐ前を向いて努力していました。
彼女の外見は一昔前のアイドル系美人であり、古き良きひだまりの国のイメージがぴったりな印象でした。
そのような容姿だったので、普段は相性がよくない年配層と若者層が珍しく意気投合しいつしか沢山のファンの応援を得ることになりました。
これを見て、不快さと警戒感をもった勢力がありました。
それは、「反ひだまり派」と総称される大集団でした。
具体的には古くから伝わるひだまりの文化を亡き者にしようとする国内の勢力と、新しい化粧品やキャラクターグッズなどを販売する企業群、そしてひだまりの文化に上に自国の文化を上書きしようと画策する外国勢力でした。
この連合体は自分達とコネを持つテレビや新聞を使ってでたらめな男性スキャンダルやまったく根拠のない憶測に基づく人格攻撃を行い彼女の評判を下げようと工作しました。
しかし、世間での彼女の評判は確かに悪くなりましたが、アイドル投票で彼女の応援をしていた人々の多くは彼女のそうした情報を鵜呑みにすることなく、むしろ彼女を守り弁護しようと一致団結しており、それはとても強固なものでした。
当事者であるカリンはというと、この悪質なプロパガンダに最初は怯え、心が折れそうなほどの影響を受けました。
彼女は確かに魅力的でしたが、普通の少女でありそうした異常なストレスに耐性があるわけではありませんでした。
それでも、多くの応援をしてくれる人々に支えられて気持ちを持ち直し頑張ることにしました。
やがてアイドル投票の時期が近づき、カリンの人気が落ちないことに焦った「反ひだまり派」の一部が暴走しました。
なんと、彼女を拉致してスキャンダルをでっちあげる行動に出たのです。
彼女は薬でもうろうとした状態にされ、とある酒場に連れていかれました。
そしてとある写真を取られます。
それは酒に酔い複数の男性と戯れるカリンの姿でした。
そして、さらなるスキャンダルの証拠をでっちあげるべくこの邪悪な者達が行動に出ようとしたとき、変化が起きました。
それは複数の男女の集団が突然潜入してきたのです。
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