テレビ放映戦国大名総選挙その77 織田信長

歴史にはパターンと順番というのがあります。

今回まず起きたのは室町幕府の権威と権力の失墜です。

これから話す事柄は中国史をはじめ多くの国とその歴史において起きた出来事です。


と同時に現在でも起きうることです。

今、権威と権力の失墜という言葉を使いました。

これは具体的のどういうことかをもう一度説明します。


例えば、法律や決まり事を守るのは、順法意識という物と違反した時の罰則という二つの大きな動機が大きいと思います。


しかし、ある事態になると多くの人が順法意識をなくす場合があります。

それは法律が恣意的に行われた場合です。


簡単に言えば、ある法律は機能し、別の法律は機能しない。

あるいはある人には法律が機能し、ある人には適用されない不公平な場合です。


人が法に従う大きな理由の一つは法の下の公正です。

それが、キチンと行われないと、人々は政府に対して強い不信を抱きます。

これが順法意識の弱体化、ひいては政府に対する批判になります。


次に来るのが違反者が増えることと、それに対する罰則の適用能力の低下です。

ややこしい言い方をしましたが、簡単に言えば、法を破ってもいいやという人が増えれば、当然犯罪が増えます。


その時にキチンと捕まえて、罰則が与えられれば人は損得で動く生き物でもあるので悪い心が芽生えたとしても自制心で踏みとどまることが出来ます。


しかし、犯罪者が増えていけば当然捕まえる側の負担や人員が増えていきます。

それを見て、権力者は何をすると思いますか?

多くの場合、刑法の厳罰化と取り締まりの強化を行います。


そうすると、一時的には犯罪は減ります。

ただし、減るのは一時的です。


なぜなら、厳罰化をしても前に述べた法律の不公平は解消されていないため、政府の要人や貴族、富裕層といった今でいう上級国民には甘い法運用がされることが多いからです。


そうした不満がエネルギーとなって犯罪は増加、治安維持の部隊を増やしても限度があり、あるところまで来ると予算がなくなります。


室町時代の一向宗の話を思い出してください。

当時の政治や宗教団体の特権意識が民衆の不満の原因の一つだったことを。


こうして、政権は末期になると次にあげる2つのどちらか、あるいは両方の病状が現れるようになります。


一つは、行政や治安組織の強権化による民衆の不満の増大。

もう一つは行政の肥大化により金欠になり、結局組織を維持できずに弱体化、その後治安の悪化に伴う司法と行政の無力化です。


これは、簡単に言えば、ヒャッハーの世界です。

戦国時代はそうなる前に織田信長のような新しい勢力を含めて、地方勢力の大名や領主が頑張ったために戦乱にはなりましたが無法化は免れました。


でも、一向宗のような集団は現れました。

次は今の日本について考えてみたいと思います。


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