テレビ放映戦国大名総選挙その17 豊臣秀吉
さて、ついにベスト3です。
ここで登場するのが豊臣秀吉です。
今、放映中の「麒麟がくる」で木下藤吉郎、あるいは羽柴秀吉として明智光秀のライバルとして登場している人物です。
大河ドラマ全盛期、および日本が高度成長という極めて活動的で元気な時代に最も人気があった人物でもあります。
その秘訣は昔の時代の認識ですが、百姓という身分の低い彼がどんどん成功して出世していく姿が当時日本を支えたサラリーマンや会社の社長にとってとても気持ちのいいものだったからです。
昔の大河ドラマの演出では豊臣秀吉は働き者で頭が良く、何より人の気持ちがわかる賑やかで陽気な人物でした。
また、現代のように歴史を多面的に見るという考え方が当時は希薄で、英雄は英雄、悪人は悪人、裏切り者は裏切り者、敗者は敗者といったステレオタイプ的なものの見方が主流でした。
そういうわけで現代でも人気が高いのは納得の面もあります。
しかし、近年の傾向を見ると豊臣秀吉に対するネガティブな見方も強まってきている気がします。
日本が成長期から、停滞期、あるいは氷河期と揶揄されるようになると豊臣秀吉のような猛烈な働き者よりも家庭を大事にするドラマが好まれるようになりました。
また、天下統一までの秀吉だけではなく、統一後の秀吉の人生が扱われるようになると、冷酷な面や海外侵略の野望などが時代の常識からかけ離れた考えだったためにその点が絶大な人気に影を落とすことになりました。
私個人の考えとしては天下統一というゴールを走る徒競走ではだれよりも優れた記録をたてた人物という印象です。
何しろ、信長亡き後、毛利、島津、上杉、北条、伊達といった強力な大名たちをあるものは降伏させ、あるものは有利な条件で和睦したのはこの秀吉の力によるものだからです。
さて、次の章ではこの豊臣秀吉と島津との険悪で難しい関係と秀吉の高い実力について作者なりの解釈を交えながら紹介したいと思います。
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