第261話  ねこネコ編(3)ねこのかわいさとは

ねこ好き男の馬骨は祭り之介にねこの魅力について語ります。

そのままの表現だとオタクことばになってしまうので要約したいと思います。


まず、ねこの精神年齢は人間の赤ちゃんや子供に近いと言われています。

人にたいする反応から、その説はある程度正しいと馬骨はしたり顔で解説します。


祭り之介はあまり興味なさそうに聞いたフリをしているようです。

彼の病はあまり人の言葉を聞こうとしない、というかボーっとしていて集中できないというのがより正確な状態だと言えます。


さて、馬骨は続けて、ねこはえさ、恋愛、甘え、安全に関しては本能的に人間に近いか場合によっては人と変わらない反応を示すと力説します。


前の章で紹介したえなこチャンは恋愛と子供的な甘えが強く表の感情に出るねこです。

なので、とても嫉妬深く、また人間にとても懐きやすいのです。


さらに言うとねこというのは数千年人間に飼われることに環境を順応させた生き物なので、人の心をつかむのが本能的にうまい、彼はそのような説明をしました。


祭り之介は少しづつ懐いていた5匹のねこと無言の対話をしながら、その話を聞き流しています。

その後、馬骨はクレちゃんの方を指さして、こう説明します。


クレちゃんはえさと安全にとても関心がある、それはかつて自分と同じ時に生まれた子たちが病気などで死んだことで、生命に対する欲求や危機感が他のねこより格段に強い、だから最初にえさにありつくし、エサを食べたら安全なところに行こうとするのだと言い切ります。


馬骨の無駄な弁舌は続きます。

この2匹だけじゃなくて、祭り之介になついているそこのねこたちもそれぞれ性格があってそれが分かると格段に愛着が湧いてくるからよく観察するといい。


最初は聞き流していた祭り之介でしたが、ねこたちの姿、懐く感触、そして目を時々見ることで何となく馬骨の言っていることが分かる気がほんの少しだけしたような、何か小さくほのかに暖かい何かを感じました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る