第262話 ねこネコ編(4)祭り之介になつくねこ
祭り之介になついたねこは5匹。
白いねこが2匹、黒い猫が一匹、雉模様のねこが2匹でした。
全てメスねこです。
3匹は祭り之介の足に所せましとかたまり、「香箱座り」や「横すわり」といった横に長くなるような警戒心の薄い座り方をしています。
恐らく、祭り之介が(病のせいもあるでしょうが)おとなしく優しい人間だと見抜いたのでしょう。
一度安定してしまうと、ねこは眠くなって寝てしまうことも度々です。
残りの2匹、白いねこは祭り之介の体の左右にそれぞれが「エジプト座り」をしています。
前足を立てた状態で祭り之介の腕や足に鼻を近づけクンカクンカしたり、爪で軽く引っかいたりします。
警戒心も少しはあるようですが、好奇心がそれを上回っているようです。
少し時間がたつと祭り之介の足がしびれてきましたが、ねこたちが気になって動けません。
彼はやさしいので、ねこの安眠を妨げないように気を使いました。
しかし白いねこ2匹は意に介さず引っかく行為をやめません。
ついに祭り之介の足のしびれも限界にきて、彼はフラフラと立ち上がりました。
そうするといままで寝ていたり、くつろいでいたねこたちはパッと立ち上がりダッシュして祭り之介の足から離れました。
それを見て、周りにいる7匹のねこ以外のねこも運動会状態になり、一斉に走り出しました。
こうした動きは多頭飼いでないとなかなか見れない光景です。
さて、足がしびれた祭り之介はやや不自由な動きで歩きつつ、他のねこたちを観察することにしました。
何となくですが、祭り之介に意欲のようなものが少し芽生えたのかもしれません。
次回は他のねこたち、祭り之介から見たねこたちを紹介したいと思います。
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