第257話 フウイのネット対策案(6)

よくネットで「NHKは日本嫌いだ」という声が聞こえます。

しかしフウイはそこを問題にすること自体が罠ではないかと考えています。

つまり、NHKの日本嫌いは組織の一部でありその一部が多数の中立派を巻き込んでいるという構図ではと考えています。


ならばどうすればいいのか。

フウイはそこで腹案がありました。

NHKの組織は中央と地方があります。

そして、大河ドラマは主に地方が舞台になります。


つまり、NHKの地方局を巻き込んで大河ドラマという同じ旗を掲げていけばよい、というのが彼の策でした。


フウイは「日本嫌いNHK対ネット国民」という構図ではなく、「ネット民+地方局+日本国民対NHKのごく一部」という構図に変えてしまえというのが構想の大本でした。


そして、それをより具現化するため、島津義弘大河ドラマ誘致のために「九州民+ネット民+九州のNHK支局+地方局」の連合を組むべきであると主張したのです。※(1)


実はフウイのこの構想には先がありました。

この地方民とネット民には地方政治に参加、介入という形で援軍を乞うという狙いもありました。


先ほども述べた通り日本対日本嫌いという構図で見ると、日本嫌い側は少数ではあってもとても練度が高く、過去の経験の蓄積とその必死さから苦戦が予想されます。

しかし、地方の場合シミュレーションゲームで例えるなら空白地であり、彼らもそれほど備えてはいません。


それに個人や組織の攻撃は再三指摘した通りリスクを伴いますが、地方行政に対する建設的な陳情(例えば大河ドラマ誘致)や地元を大事にする議員や組織を応援するのは効率もよく、慣れてくれば士気も上がるという狙いがありました。


そして、SNS上でもそうした地方からの改革が一部のインフルエンサーによって声高に叫ばれていて、成果を出しつつある、トレンドとなろうとしてます。


フウイは未練を持っていました。

もし、例の弁護士騒動で沈んだ数千人の人達が自分とコモロウの小説を応援してくれていたら、今頃みんなで良い酒が飲めただろうにと。


※(1)大河ドラマは年に一回なので、その年以降国体のように地方で回せば多くの地方自治体に恩恵があるという見込みもあります。


秋田、茨城なら佐竹、宮城なら伊達、米沢、新潟なら上杉、関東なら後北条、山梨、長野なら武田、富山なら前田、静岡なら今川、徳川、岐阜、愛知なら織田、関西圏なら三好、細川、豊臣。四国なら長曾我部、岡山なら宇喜多、中国地方なら毛利、広島なら浅野、佐賀なら竜造寺、鍋島、大分なら大友、鹿児島なら島津、宮崎なら伊東、福岡なら立花、他にも綺羅星の如く歴史上の偉人は日本各地にいるはずです。


とにかく味方をふやしてこの国を歴史の根元から見直していくことが大事だとフウイは強く願うのでした。

(長いフウイ編お疲れさまでした、次回からねこ、ネコ編です、どうぞお楽しみに)






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