第248話 ネットの中の蟲毒(2)

「蟲毒」(こどく)「壺に入れた毒虫を互いに争わせ、最後に残った一匹の毒を使い料理や飲料物に混ぜ人に危害を加える」という恐ろしい呪術。かつての中国では「これを企てた奴は絞首か斬首な!」という扱いだったり、奈良時代の日本に至っては実際にこれを企てたとして流罪になったという人物が複数記録されているらしい。マジか


日本のフィクション作品では「複数人に対して互いに争いを起こすように仕向け、最後に生き残った者を選ばれし強者としてさらに特定目的で使い潰す」という行為の比喩としてたびたび用いられる。


とある動画の大百科ではそのように説明されています。

さて、数千人の一致団結した信念の強い集団対わずか数名の弁護士の対決、フウイは弁護士の大勝利、そして数千人のネラーたちは悲惨な経験をすると確信していました。


弁護士が使ったのは「魔法」でした。

ただし「魔」は必要なかったようですが・・・

具体的には業務妨害による損害賠償をこの運動に参加した全ての人に対して行ったのです。


人数こそ多いものの、彼らは素人です。

その彼らが莫大な金額の損害補償を請求されてしまい、今までの楽勝ムードから一転危険地帯に自分がいるのだと認識させてしまいました。


それだけではありません。

民事とはいえ訴訟ですから戦う準備も必要です。

でも、彼らにその知識があるわけもなく、そして実際勝ち目の薄い戦でした。


しかも彼らの多くは社会人であり、訴訟対象となっていると公になれば社会的信用や権威に大きな傷がつきます。

彼らはネットでは威勢のいいことをバンバン発していましたが、こうした覚悟をしていた人はほとんど皆無と言っていいほど少なかったのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る