第172話 二宮尊徳といろはの「が」

学問は 朝(あした)の潮の 昼間にも 波の夜こそ なお静かなれ


現代語訳

勉強するには、昼も夜も波のように間断なく修めることですが、夜はなお一層静かで勉強に向いているといえます。


さて、困りました。

実は夜に勉強した偉人を調べたのですが、この人という人が出てきませんでした。

ついにネタ切れ、断念か!とあきらめていたのですが何とか一人見つけました。

それが「二宮尊徳」いわゆる銅像で有名な「二宮金次郎」です。


いろいろこの章を考えましたが、現代語訳以上の説明は必要ないのではと思いましたので、(冷や汗)補足と豆知識を紹介したいと思います。

睡眠と勉強の関係についてはいろいろな考えがあり人の体質や考え方で結論は異なるようです。


よくナポレオン1世や織田信長の睡眠時間が短いという話もありますが、一方で彼らはよく昼寝をしていたとも伝えられています。

今回紹介する二宮尊徳のエピソードも異論もあるようですので参考までにお読みいただければと思います。


二宮尊徳の父は病のため、母は貧困のため、早くに亡くなってしまいます。

その後も水害に襲われて財産を失い、やむに已まれず本家の世話になることになります。

どうも本家では厄介者扱いされて、身の狭い思いをしたようです。

記録にはこう記されています。


金治郎は本家・祖父の家で農業に励み、身を粉にして働いたが、ケチな萬兵衛は金治郎が夜に読書をするのを「燈油の無駄使い」として嫌い、しばしば口汚く罵られた。そこで金治郎は策を講じ、堤防にアブラナを植え、それで菜種油を取って燈油とした。また、田植えの際に余って捨てられた苗を用水堀に植えて、米一俵の収穫を得た。


昼間は農業をして働き、夜は勉強、でも明かりの油を使っているとケチを付けられますが、そこは「災い転じて福となす」普段勉強して得た知識と農業の経験を生かしてサイドビジネスよろしく財を稼ぎます。


今だと、パソコンやiPhoneなどを勉強して技術を学び、何か良いアイデアを見つけてユーチューバーとなった、そんな感じでしょうか。

学校の勉強だとこうはいかないでしょうが、ネットの勉強をしながらとなれば、現代と二宮尊徳の江戸時代とあまりやることは変らないような気がします。


私も学生時代「勉強しろ」と言われるのは苦手でしたので、このいろは歌の内容は「ぐぬぬ」という感じがしますが、大人になるとあの時やっておけば良かったと後悔することしきりです。


若い皆様、今はいろは歌の戦国時代や二宮尊徳の江戸時代と違い、情報があふれていて、何を勉強したらいいか迷うかもしれません。

でもまあ勉強して損になることはないと思いますので、出来るうちに朝でも夜でも勉強するとよいと思いますよ。







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