第170話 ケネディ、マンデラといろはの「を」
小車(をぐるま)の 我が悪業に 引かれてや 勤むる道を 憂しと見るらん
現代語訳
ちょっとした自分の甘えに引きずられて、心がつい消極的になってしまったというのでしょう。
しかし、放っておけば、今勤めている仕事さえも、面白くなく疲れて嫌だと思うことになります。
そうであってはいけないのです。
初心忘るべからずといいますが、なかなか難しいですよね。
仕事が単純作業だとやってて嫌になることもあるでしょうし、その気持ちを分かります。
でも、ここで手をぬいたり気を緩めたりすると仕事の終了時間が遅くなったり、思わぬミスをしたりするかもしれません、
毎日の踏ん張りが少しづつ蓄積して自分の評価を上げることもあるでしょう。
かつて、アメリカ大統領のジョン・F・ケネディはこのような有名な言葉を残しています。
「国家に何かをしてもらおうともとめるのではなく、国家のために何をすることができるかを考えよ」そしてその後に注目です。
「そのためにもまず、それぞれの持ち場で最善、(ベスト)を尽くしてほしい」この言葉はアメリカの全国民向けの演説だったことを考えると、政治家であれ、軍人であれ、それよりもはるかに割合の多い民間人であれ、それぞれが気を抜かず最善を尽くすように鼓舞しています。
こういう言葉を聞くと気が引き締まって目の前の仕事をやろうと思えるかもしれませんね。
中には自分の仕事はつらいし将来性もないので努力しても意味がないと思う人もいるかもしれません。
そのような方にはネルソン・マンデラという人物を紹介したいと思います。
彼はアフリカの黒人の首長の家に生まれたいわば王族でした。
頭も良かったようで大学に行き弁護士になりました。
しかし、時代はアパルトヘイト(人種隔離政策)の真っただ中で彼は逮捕され27年という長い間刑務所に入れられてしまいます。
この27年も南アフリカの情勢が大きく変化したために釈放されたので、牢獄にいる間はいつ釈放されるか分からない状態でした。
そのような時でも彼は腐らずに自分の出来ることをします。
彼は刑務所の仕事をしながら、将来のためにアフリカ黒人の主要言語を勉強するようになりました。
また、いつか釈放され政治活動が出来るようにするための勉強も日夜たゆまず行いました。
やがて、27年の時が過ぎ、彼は釈放されます。
その後、彼の周りにはかつて敵対した勢力も含め、南アフリカのすべての勢力が集まり、彼は唯一無二の調整役として、南アフリカという国家をまとめるという大仕事をやってのけます。
自分の置かれた環境がつまらないと思っていても、緩まずに仕事を続ければ、いつか道が開けるかもしれません。
私もそうですが、つい体力のなさや精神力の弱さで仕事や何かの活動がおろそかになることもあるでしょう。
そのような時にいろは歌の「を」を思いだしてねじを締めなおすのはどうでしょうか。
もしかしたら思わぬ幸運が近くにあるかもしれませんね。
次のいろは歌は「わ」です。
偶然ですが次の言葉もネルソン・マンデラさんにピッタリの内容なので引き続き登場してもらいます。
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